高知県高知市の商店街にある実際の店舗を、ミニチュアで再現している男性がいます。使用する素材などこだわりのつまったミニチュアは、商店街の人たちを笑顔にしています。

(松岡葵アナウンサー リポート)
「うわ~すごくかわいいお店ですね~!帯屋町の化粧品店ということで、たくさん商品並んでいます。品揃え豊富ですね~!あっこれ欲しいかも!」

(松岡葵アナウンサー)「高知市帯屋町にあります、化粧品のお店、HIGAKIのミニチュアだったんですね~!こうして実物と見比べてみますと、いやぁ~よくできてますよ!」

帯屋町にある化粧品店ヒガキ。棚に並ぶたくさんの商品をはじめ、店内の隅から隅までリアルに再現されたミニチュアはここで働く店員にももちろん好評です。

(松岡葵アナウンサー)
「一番お気に入りのところはありますか?」

(HAIR&COSMEHIGAKI 吉松磨優さん)
「一番お気に入りのところは、プレディアというブランドなんですけど、ちょうどそこにあるこの台で、そのままの完成度、商品の大きさ、色、見たままのものをつくてくれて、すごくお気に入りポイントです」

実際の店舗を再現したミニチュアは1店舗だけではありません。こちらのミニチュアを作ったのは帯屋町にある老舗のメガネ屋「メガネのクスノセ」で認定眼鏡士(がんきょうし)として勤める茨木典幸(いばらぎ・のりゆき)さんです。

(松岡葵アナウンサー)
「うわー!細かいところまですごいですね!これ一人で作ったんですか?」

(メガネのクスノセ 認定眼鏡士 茨木典幸さん)
「そうです、一人で。きっかけは、ドールハウス展を見て、キットを買ってきて、それを組み立てて、上手くできたので、新たに作ってみようとすると、キットが高かったので、自分のオリジナルで全部作っています」

(松岡葵アナウンサー)
「オリジナルには思えないくらい本当に完成度が高いんですよね」

(メガネのクスノセ 認定眼鏡士 茨木典幸さん)
「ぜひ隅から隅まで見てください」

(松岡葵アナウンサー)
「えっ!これ開くんですね!すごーい!こちら空想のお店ということですが、どういったお店なんですか?」

(茨木典幸さん)
「これは『パリの帽子屋さんシリーズ』で、皇室御用達の帽子になっております。」

(松岡葵アナウンサー)
「細かい設定も考えているんですね」

(茨木典幸さん)
「羽などをつけて、こういうふうな感じにしています。夜遅くまで仕事をしているので、夜になると・・・ちょっと明るく」

(松岡葵アナウンサー)
「すごい!電気も付くんですね!」

(松岡葵アナウンサー)
「もしかして、こちらのお寿司屋さんも開くんですか?」

(茨木典幸さん)
「開きます。天井は取り付けず、明るくするためにアクリルを入れているので、全部開きます。前のドアも開くように」

(松岡葵アナウンサー)
「すごい!お寿司のネタも細かいですね。こちらはどういったお寿司屋さんなんですか?」

(茨木典幸さん)
「ちょっと高級なお寿司屋さんという設定なんですが、これが一番難しかった。回る寿司屋しか知らないのでね。お酒のラベルも縮小コピーするという方法もあるんですけど、僕は全部手書きでやっています」

(松岡葵アナウンサー)
「実際に測ったりせずに?」

(茨木典幸さん)
「うん、僕は測らないので、感覚です。早い話が適当に作っている」

茨木さんは作ったミニチュアを自分だけで楽しむのではなく、「これでたくさんの人たちを笑顔にしたい」と考えるように。“ご近所さん″である商店街の店にもミニチュアを贈ることにしました。長年帯屋町で営業している中西呉服店です。

(松岡葵アナウンサー)
「あ!ありました!お店の中に入ってきたのに、またお店があるという。すごいですね~!うわ~細かい!特にこだわった点はあるんですか?」

(茨木典幸さん)
「中西さんのところは商品がかなり多いので、できるだけ忠実に。引き出しや扉も多いので、できるだけ忠実に作ろうと思った。例えばこういうふうな」

(松岡葵アナウンサー)
「引き出しがたくさんありますけど。すごーい!中にちゃんと入ってる!」

(茨木典幸さん)
「そのとおり再現しています」

(松岡葵アナウンサー)
「ひょっとして全部入っています?」

(茨木典幸さん)
「全部入っています。これも取れる」

(松岡葵アナウンサー)
「これ本当に一緒ですね。本当に一緒!」

着物の重みがうまく表現され、呉服店が持つ重厚さが忠実に再現されています。さらに茨木さんがこだわっているのは、捨てられる“廃材”を、使える“素材”として生まれ変わらせることです。

(茨木典幸さん)
「できるだけ買った木を使わずに、こういったそうめんの箱で、作るようにしています。裏面は塗らずに、それとわかるようにして、生地も買うんじゃなくて、僕の(古い)ワイシャツのほうから色を足してっていうような感じ。できるだけお金をかけずに、こういったものを利用して作るというのが僕の一番のこだわり」

(中西呉服店 若女将 中西美奈(なかにし・みな)さん)
「最初は母が廃材のそうめんの箱を持って行って、それで茨木さんが作ってくれることになったと思うんですけど、母が『うちのお店も作ってほしい』という願望があったので、すごく喜んでいました。気軽に皆さんに見ていただきたいので、ぜひお店に足を運んで、実際の店と見比べて楽しんでもらえたらと思います。ぜひお越しください」

こちらは、洋服屋NIBANGAIです。店舗のミニチュアはサプライズでのプレゼントでした。茨木(いばらぎ)さんが贈ることを秘密にしていたため、外から見た店の様子のみを再現しています。

(NIBANGAI 岡本千恵子(おかもと・ちえこ)専務)
「『これ、え?』って。NIBANGAIさん作ったと言ってくれて、びっくりしました。嬉しい~!って。まさかうちが作ってもらえると思ってなかったので」

「ミニチュアを見て、『こんなになっているんだ』と、逆に改めてそのお店を見に行くような、細部にわたってすごく観察して、今までも素晴らしい作品を作ってらしたので、本当に嬉しいことです。とにかくあったかい気持ちが伝わるし、嬉しいですね」

(松岡葵アナウンサー)
「(ミニチュアをプレゼントした)お店の方が本当に嬉しそうな表情、喜びなどの声も聞かれましたが、どうですか?」

(茨木典幸さん)
「嬉しいですね。それが一番。そのために作ったようなものですので、一番嬉しいです」

現在茨木さんがミニチュアとして再現した店舗の数は9店舗。無茶ぶりとわかりつつこんなお願いをしてみました。

(松岡葵アナウンサー)
「ひとつお願いがあるんですけど、ぜひ高知の商店街を再現してほしいんです」

(茨木典幸さん)
「そうですね~実際のお店を作るのは面白いので、作っていきたいとは思いますけど、作れないのもあるのでね。なかなか難しいんですけど、頑張ってみます」

(松岡葵アナウンサー)
「楽しみにしています!」

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