連日のように続く厳しい暑さで、身体に疲労が溜まっていませんか。そんなとき、飲むのが「疲労回復の栄養ドリンク」ともいわれますが、それだけで十分なのでしょうか?疲れをとり体調を整えることができる飲み物は意外にもー。
「夏バテしたときに飲む飲み物」といわれると、栄養ドリンクのほかに、水や麦茶、ジンジャエールや炭酸水を思い浮かぶ人が多いかもしれません。
暑さで疲れた体に効くのはどんな飲み物なのでしょうか。管理栄養士で富山短期大学の伊藤陽子准教授に聞きました。
富山短期大学・伊藤陽子准教授
「汗をかいた後なのか、体が弱ってる時なのか、喉が渇いて飲みたいのかによって選ぶことが大事で、この飲み物がいい悪いというのは一概に言えない。その時のシチュエーションに合わせて選ぶのが大事だと思います」
疲労がたまっているのか、食欲がないのか、そのときの体調にしっかり合った飲み物を選ぶ必要があります。
夏バテで食欲が落ちているときは「甘酒」がおすすめ。
富山短期大学・伊藤陽子准教授:「昔からよく言われる、甘酒がおすすめ。甘酒の成分はほとんどが炭水化物。炭水化物のなかでもブドウ糖なので吸収が早い、エネルギーに変わりやすい。発酵食品なので整腸作用もあって、夏バテで胃腸が弱ってるときにはそういう点でもいい」
さらに、温度は常温に近づけると胃腸に優しくなるといいます。ただ、栄養が豊富な分、エネルギーの過剰摂取と雑菌の繁殖には注意。飲むのは1日1回から2回、必ず冷蔵庫で保管しましょう。
暑さと冷房のきいた部屋の温度差で体の調子が悪い時は…
富山短期大学・伊藤陽子准教授:「(気温差で)自律神経が乱れて、それを整えようと思うときには、温かい飲み物がおすすめ」
冷えた室内で温かい飲み物を飲むことで、体温を調整するために自律神経が働き体調が整うということです。
飲むのは好きなもので大丈夫。リラックス効果で副交感神経が優位になり、さらに効果が高まります。外で活動しているときは冷たいものを飲んでリフレッシュしてOKですが、室内に戻ったときは温かい飲み物を選んでみましょう。
体力回復には“飲み物”よりも“食事”が大切
伊藤さんは、飲み物は食事よりもとる頻度が高く、偏った飲み方をすると体への影響が大きいとする一方、あくまでも大切なのは食事だと指摘しています。
富山短期大学・伊藤陽子准教授:「飲み物で回復を図るというよりは、やっぱり補助的な役割。食事がきちんと取れていればそんなに飲み物にこだわる必要はないし、何か一つをそればかり飲むのではなくて、その時のシチュエーションにあわせて飲み物をしっかり選んで飲んでほしいと思います」
自分が飲んで「おいしい!」とリフレッシュできるのであれば、基本的にダメな飲み物というのはないそうです。
ただ、1日に何度も飲むものには気を遣いましょう。例えばスポーツ飲料は糖分が多く、飲みすぎると「ペットボトル症候群」という糖尿病のような症状がでてしまうといいます。
またコーヒーやエナジードリンクはカフェインが多く、何度も飲むと利尿効果で、せっかくとった水分が出ていってしまうので注意が必要です。
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