「巨大地震注意」の南海トラフ地震臨時情報が発表された中での開催となったよさこい祭り。踊り子と観客が一体となって盛り上がった祭りの4日間を振り返ります。

8月8日に起きた日向灘を震源とする地震で、南海トラフ地震「巨大地震注意」の臨時情報が発表されました。よさこい祭振興会は協議の結果、安全対策を行いながら開催することを決め、避難場所や避難経路の周知を徹底し、祭りを通常開催することを決めました。

前夜祭では安全祈願祭と開催式が行われ、濱田知事や桑名市長らが出席。また、「スーパーよさこい」などを通して交流を深めてきた東京・渋谷区と高知市が観光協定を結ぶことになり、関係者が前夜祭に出席しました。

(東京都渋谷区議会 丸山高司 議長)
「文化と観光ということなのでそれぞれお互い共通する点、あるいは共通しないけども刺激できる点というのがあると思うんです。観光業界ともタイアップして交流を更に進化させていきたいと思っています」

2024年は初めての試みとしてステージ連動型の光る鳴子ペンライトを導入。これまでになかった光の演出で祭りの開幕に花を添えました。  

「高知市納涼花火大会」では2024年もおよそ4000発の大輪が夏の夜空を彩りました。

そして本番初日。2024年は「巨大地震注意」の南海トラフ地震臨時情報を受け4チームが出場を取りやめ、184チーム、およそ1万7000人の踊り子が出場しました。

中央公園ではさまざまなイベントが行われ、清掃活動では参加者たちが会場周辺の空き缶やたばこの吸い殻などを一つ一つ丁寧に拾っていました。

(参加者)
「こういう機会あまり見たことないのでちょっとやってみようかと。拾いながらたばこの吸い殻、結構多いなと思った」
「ほんの一部ですけどゴミが拾えていい気分」

また、プロ野球やメジャーリーグなどで活躍した藤川球児さんが、訪れた人たちに生ビールを注ぎながら交流を楽しみました。

(阪神ファン)
「めちゃくちゃうれしいです。テレビで見てユニフォーム着てすぐ来ました。甲子園でいっぱいビール飲んでたんですけど一番おいしいですね」

(藤川球児さん)
「帯屋町商店街と中央公園来た時はみんな気合が一味違うと思うので、一番いいシーンがここから見られて最高ですね。体調に気をつけて熱く元気に、踊り子さんには頑張ってほしいし、見てる方たちは一緒に伝統をつなげていくという意味で応援してほしいなと思います」

三日月カーブが特徴の梅ノ辻競演場では、町内会チーム「梅乃連」が5年ぶりに復活。華やかな舞を披露しました。

(梅乃連 踊り子)
「最高ハッピーって感じです!すごく天気もよくて風もちょうどあって、5年ぶりの再出発にふさわしい踊りだったなと思う。とっても楽しかったです」

会場名にちなみ、熱中症対策として「梅干し」の配布も行われていました。

愛宕競演場でも、さまざまなチームが踊りを披露しました。

(au 踊り子)
「小さい頃に誘われてから毎年楽しくて、夏は思い出つくりたいので踊っている」「みなさんの応援がすごく嬉しくてニコニコして踊りました」

(いの夏 小野義矩 代表)
「初参加の方もいたが、暑さに負けず、最後まで頑張って、小さいお子さんから(高齢の方まで)頑張って踊り切ってくれたことにものすごく感動しているし、観客の方にも感動していただけたらと思う」

日が暮れてもよさこい祭りの熱気は続き、沿道では大勢の観客がうちわをあおぎながら、夜の舞を楽しんでいました。

よさこい祭り本番2日目も、踊り子たちのエネルギッシュな演舞が続きます。

そんな中、ある事情を抱えたチームがありました。東京の中央大学のよさこいチーム「一期一笑(いちごいちえ)」です。

祭りの直前に発表された南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」の影響で、保護者の了承が得られなかったメンバーが出場できなくなり、115人いた踊り子が半分ほどになってしまいました。

(一期一笑の踊り子)
「やっぱり行くのは怖いなというのが第一印象で、でも今まで2か月必死に練習してきたのもあって・・・」

踊り子たちは出場できなかった仲間たちの鳴子を使って思いを1つに楽しみました。

(一期一笑の踊り子)
「(出場できなかったメンバーと)毎日やりとしながら、応援ムービーとかも撮ってくれて、毎日連絡とって悲しいですけどやってます」

(中央大学 一期一笑 山下葵 代表)
「一人一人が主役の一期一笑なので、みんなが主役、踊っていなかった人も鳴子を通じて来ている気持ちは一緒というところを踊りを通じて皆さんに伝えられたらいいなと思っています」

踊り子や観客が対応に追われたものがもう1つ。暑さです。2024年のよさこい祭りは11日以外が最高気温35度以上の猛暑日、11日もほぼ猛暑日と厳しい暑さが続いた4日間でした。

そんな中、踊り子たちの力になろうと立ち上がったのが、岡豊高校サッカー部のメンバーです。

人気よさこいチームの「ほにや」が、部をサポートしていることもあり、2024年初めてボランティアで給水所を設置。部員およそ60人が帯屋町やはりまや橋など7つの会場で踊り子を「アシスト」しました。

(岡豊高校サッカー部 門脇芯さん)
「シンプルによさこいが好きなのと、サッカー部でよさこいのサポートをするということで参加しようかなと思いました」

そして2024年のよさこい大賞に選ばれたのは…。 

よさこい大賞3連覇を達成したとらっくよさこい(ちふれ)の2024年のテーマは「御喜楽続々」。文字通り大勢の見物客を「ゾクゾク」させました。

(踊り子)
「今まで旭食品しか3連覇を達成できていなかったので、とらっくが時代を変えられたかなと思うので、すごくうれしい」

(踊り子)
「何より沿道の皆さんがうちわや手で『よいさほいさ』一緒に参加してくれて、本当にパワーになってとにかく楽しかった」

(とらっくよさこい(ちふれ) 川村浩平 代表)
「3連覇という目標もあったが、お客さんと踊り子の一体感で、とらっくよさこいの全体美を一緒に作り上げたい思いで練習をずっと頑張ってきたので、その先によさこい大賞3連覇を受賞することができて、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです」

12日、よさこい祭りもいよいよ最終日です!全国大会には本番の受賞チームと県外チーム、合わせて68チームが出場し、多彩な舞を披露しました。

滋賀から初出場の「花びより~あかさたな~」は憧れの本場・高知の舞台を楽しんでいました。

(踊り子)
「ずっとお客さんとして何回も何回も高知に見に来てて、お客さんの温かさにいつも憧れを持っていたので、自分が踊り子になって踊ってみて、実際にそれを感じて本当に感動で胸がいっぱいになりました」

よさこい祭りを見ようと遠く福島から訪れた人も!

(福島から)
「すっごく暑い。でも暑くてもこの熱気がすごくて楽しいです」

そしていよいよ後夜祭です。突然の雨などトラブルもあった中、本番の受賞チームが最後の演舞を披露した後は、チームの垣根を超えた総踊り!100人以上の踊り子がフィナーレを飾りました。

(踊り子)
「最後の中央公園で終わるなというのと今まで頑張ってきて楽しかったなというのを感じて、 それが一番印象的です」

(踊り子)
「すごく暑かったんですけど、いろんな方の応援があって時には大変なこともあったんですが皆さんの応援のおかげで頑張ることができました」

高知の戦後復興を目指して始まったよさこい祭り。コロナ禍を乗り越えたと思った矢先に直前の「巨大地震注意」発表と、異例の開催となりましたが、踊り子も観客も暑さに負けない盛り上がりを見せてくれた4日間となりました。

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