セーリングで5大会連続となるパリオリンピックへの出場が内定している、新潟県柏崎市出身の富澤慎選手と父親・仁さんへの独占インタビューが叶いました。
富澤選手は、大舞台での目標のほか、故郷での思い出も話してくださいましたよ。
後輩選手たちとともに神奈川県葉山町の海で練習を重ねる富澤慎選手。
5大会連続のオリンピックに挑むにあたり、前回の東京五輪が終わってからは、これまでとは違った挑戦を始めていました。
実は、これまで富澤選手が4大会出場してきたセーリングの種目・RS:X級が廃止になり、パリオリンピックでは新たに「iQFOiL級」が設けられたのです。
【富澤慎選手】
「新しい種目でスタートラインがみんな一斉にリセットされて、またゼロから頑張っていく…。そこが一番魅力的だったと思います」
新種目・iQFOiL級というのは、ボードが水面から“浮いた状態”で走るのが特徴。
船底に水中翼がついており、RS:X級よりも速く走れるそうで、最高時速は60kmを超える!とのこと。
「ほんとに空飛んでいるような感覚で走れて…。ただコントロールするのがすごく難しい」という富澤選手にボートで併走しましたが、想像以上に早く、ボートが追いつけないくらいでした。
“浮いている”ボードを安定して支えるために、必要なのは体重。
20kgも体重を増やしたそうです。
【富澤慎選手】
「東京オリンピックの時は70kgぐらいに合わせてたんですけど、新しい種目になって90kgまで…」
40歳目前でもなお進化を続ける富澤選手に、後輩たちは目を丸くします。
【工藤輝選手(31歳)】
「年が経ってても変わらなくて、どんどんパワーが増しているような、そういう方ですよね」
【池田健星選手(25歳)】
「なかなか国内トップの座を譲ってくれない、しぶとい先輩」
「憧れの先輩でもあるけど、ライバルでもある唯一無二の存在です」
長きにわたり日本のセーリング界を引っ張ってきた富澤慎選手の原点は、地元・柏崎市の海にあるそうです。
「冬の海だったり、結構厳しいコンディションの中で、練習というか、ほんと楽しんでやってこられたので…」
「冬の海、寒いですよ。とんでもなく寒いですけど、でも、それだけ、そんな海でも出たいと思うくらい好きだったんで…」
柏崎市のご実家で、父親の仁さんにもお話をうかがいました。
そこで見せていただいたのは、中学生の頃の富澤慎選手の写真。
競技経験者でもある仁さんと親子でセーリングをしています。
【富澤仁さん】
「一緒に本当に楽しみましたね、新潟の海で」
「高校1年までかな…。高校1年までが親父と一緒に競争できる状態だったんですけど、その後は完全に、せがれの方がリードして…」
親子で競い合いながら成長を続けてきた富澤慎選手。
北京オリンピック大会(10位)がこれまでの最高成績ですが、パリ五輪でさらに上位を目指すにあたり「まずは決勝レースに進むこと」と話しています。
そこからは、これまでとは違う新たなチャンスが広がるというのです。
【富澤慎選手】
「新しい種目になって、決勝レースに進めば今まで加算されてきたポイントが一旦リセットされて一発勝負の決勝になる。いくらでもチャンスが眠ってる新ルールもあるので、そこを狙っていきたいなと思います」
5大会連続となるオリンピックに挑む息子に、「いい成績を残して、“次も”目指してもらいたいと思います」と、父親の仁さんもエールを送っていました。
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