取材に応じるケニア男子マラソン代表のアレクサンダー・ムティソ=14日、山形県南陽市

 日本で成長を遂げたランナーが強豪ケニアのパリ五輪代表入りを果たし、表彰台に挑む。男子マラソンのアレクサンダー・ムティソは、山形県を拠点とするNDソフトに2015年から所属。初出場する夏の祭典へ「大きな夢がかなってとても幸せ。選ばれたからには全力で準備していきたい」と意気込んでいる。  ケニア南部に生まれ、高校時代に走ることに魅了された。日本の練習環境を勧められて海を渡り「毎年いろんなレースに出て、走りを改善できた」と地道に努力を重ねた。来日時から同僚として切磋琢磨し、23年に監督に就任した渡辺清紘さんが「自分をちゃんと律して打ち込める。いい意味で、あそこまでまじめなケニア人はいないのでは」と感嘆するほどだ。  特にロードレースの強さが光る。ハーフマラソンの自己ベスト57分59秒は世界歴代7位で、ぎふ清流ハーフなどで大会記録を保持する。22年に初マラソンを走り、4度目となった4月のロンドン・マラソンを制して念願の代表の座を射止めた。  渡辺監督は「ケニア代表に入れたので、メダルも見えている」と期待する。


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