(19日、春季関東地区高校野球大会2回戦 常総学院10―3中央学院)
常総学院(茨城)のエース小林芯汰にとって、自分の今のレベルを確認する、絶好の機会だった。
相手は今春の選抜大会で4強入りした中央学院(千葉)だったからだ。
一回、2死から4番・蔵並龍之介に左翼席へ先制2ランを許した。打たれたのは、甘くなった変化球。これで、目が覚めた。
直球を軸に勝負した。1点リードの六回は先頭打者に四球と二盗を許し、無死二塁。ここで中軸を迎えたが、三振と右飛で2死までこぎつける。続く打者には140キロ台中盤の直球を5球続けて意識させると、変化球で三ゴロに打ち取った。二回以降は連打もなく、6回3失点にまとめた。
今春の選抜大会で全国のレベルを痛感した。初戦は完封勝ちしたが、続く2回戦は報徳学園(兵庫)に10安打を浴び、5回5失点で降板した。報徳学園は決勝に進み、2年連続準優勝した。「変化球で逃げてしまった。夏に向けて、しっかり勝負できるようにもう一回直球を見直した」
直球の質と制球力を求めて、選抜後から投球フォーム改造に着手した。
足をしっかり上げることで、下ろす勢いを利用して体重をうまく球へ乗せるようにした。「最速は変わらないけど、平均球速は上がった」
磨いてきた直球はこの日、「効いていた」と手応えをつかんだ。悔いは初回に本塁打を浴びたところだけ。だからこそ「変化球はもっとコースに投げられるようにしたい」と反省することを忘れなかった。
打っても八回にコールド勝ちを引き寄せる3ランを放つなど、8番打者ながら長打3本とチームに貢献した。公式戦初本塁打に「ファウルかと思ったけど、ラッキーだった」と喜んだ。
次戦は今春選抜王者の健大高崎(群馬)が相手。夏へ向け、立ち位置を確かめる日々は続く。(大坂尚子)
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