◯ヴィッセル神戸1―0アビスパ福岡●(15日・ノエビアスタジアム神戸)

【神戸-福岡】後半、ゴールを決めて喜ぶ神戸の宮代大聖=ノエビアスタジアム神戸で2024年5月15日、中川祐一撮影

 固く閉ざされた扉をこじ開けたのは、23歳のスーパーゴールだった。神戸はMF宮代大聖が3試合連続の得点で決勝点を挙げた。

 サイドからの攻撃も、得意のカウンターもあと一歩届かない。神戸は「5―4―1」で守る福岡の堅守に手を焼いた。両チーム無得点で迎えた後半27分、エースのひらめきが得点を生んだ。FW大迫勇也が相手守備陣とGKの間にふわりと浮き球のパスを送った。そこへ宮代が飛び出し、背後から来るボールを直接右足で合わせた。宮代の技術もさることながら、大迫のアイデアも見事。宮代は「ボールが最高だったので、冷静にGKを見て決められて良かった。サコ(大迫)くんが後ろでボールを持つ時はみんなの視線が集まる。チャンスになるなと感じていた」と振り返った。

【神戸-福岡】前半、シュートを放つ神戸の宮代大聖=ノエビアスタジアム神戸で2024年5月15日、中川祐一撮影

 宮代は昨季、川崎で8得点をマークしたアタッカー。強烈なシュートと多彩な攻撃パターンを持ち、新天地で躍動している。そのプレーについて、チームメートのFW汰木康也は「久しぶりにああいう距離感のプレーができる選手を見た。アンドレス(イニエスタ)とプレーしていた時に近いような感覚を覚えた」と昨季途中まで神戸に所属した世界的名手を引き合いに出し、絶賛する。

 これまでエースの大迫らへの依存が課題とされた中で、宮代がチームトップの7得点目をマーク。優勝した昨季にも無かった4連勝を飾り、首位を快走する。「この首位を最後までずっと途切れさせないように勝ち続けるように頑張る」と宮代。進化した王者の勢いが止まらなくなってきた。【生野貴紀】

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