全日本体操個人総合選手権 女子決勝(13日、群馬・高崎アリーナ)
中村遥香選手(なんば体操クラブ)=107・131点、3位
15歳のホープ、中村遥香選手が、強みの集中力を発揮した。パリ・オリンピック出場権争いを見据え、安定感を第一に考えた中で3位に入り「一番の目標は五輪出場。一歩近づけたかな」と安堵(あんど)した。
前半は跳馬と段違い平行棒で、難度を上げた演技ができず「攻められなかった」。それでも五輪代表は今大会と1カ月後のNHK杯の合計得点で決まることから「戦略として今回はノーミスを目指す」と割り切り、3種目めの平均台は全体3位の14・100点。床運動も我慢の演技でまとめて表彰台を確保した。
昨年の世界ジュニア選手権では、段違い平行棒で「ナカムラ」と命名されたD難度の新技を成功させて、個人総合で優勝。その後の全日本個人総合、NHK杯でともに8位と上位に入り、注目を集めた。今季はより難度の高い技や構成も練習から取り入れて、成長が加速。11日の今大会予選も2位と、好発進した。
4歳から本格的に体操競技を始め、五輪への思いが強まったのはリオデジャネイロ大会を見てから。日本内外のトップ選手の躍動感や迫力に圧倒された。「テレビの中の世界だと思ったが、いつか自分もここに立ちたいなって」。純粋な憧れが芽生えてから8年。良い形で夢への第一関門を通過した。【角田直哉】
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