【東京ヴ-FC東京】後半、同点ゴールを決めるFC東京の遠藤渓太(右)=味の素スタジアムで2024年4月13日、藤井達也撮影

△FC東京2―2東京ヴェルディ△(13日・味の素スタジアム)

 J1では16年ぶりの「東京ダービー」。首都クラブのプライドがぶつかり合うスタジアムは、結末の読めない「劇場」と化した。

 東京ヴが前半28分にPKで先制すると、同33分にはFW染野唯月の華麗なボレーシュートで追加点。FC東京は前半43分に退場者を出し、数的不利で2点を追う厳しい状況に追い込まれた。

 ここで千両役者となったのがFC東京のFW遠藤渓太だ。後半16分から途中出場でピッチに入った際、腹をくくっていた。

 「0―2も0―5も(負ければ)一緒。やられるのを覚悟で、正直に言って攻撃のことしか考えていなかった」

【東京ヴ-FC東京】後半、同点ゴールを決めるFC東京の遠藤渓太=味の素スタジアムで2024年4月13日、藤井達也撮影

 投入から7分後、カウンターからの右クロスに右足で合わせて1点を返す。そして試合終了間際。GKのロングフィードを起点に横パスを受けると、ペナルティーエリア外から左足で狙い澄まして同点ゴールを奪った。

 興奮のるつぼと化したスタジアムの熱を一身に浴びた遠藤は試合後、「このままサポーターを帰らせるわけにはいかなかった。チームとしてがむしゃらにやったことが全て」と振り返った。

 終盤に待っていたドラマに、FC東京のクラモフスキー監督は「ダービーは何が起こってもおかしくない」。16年前の東京ダービーにも出場した37歳のDF長友佑都は「やはり(ダービーは)格別だなと思った。J1のどんな試合よりも興奮した」と語った。両クラブの喜怒哀楽が詰まった90分間となった。【高野裕士】

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