20日から大阪で開かれることしの全日本選手権は、1年2か月後のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックの出場枠をかけて来年3月に行われる世界選手権の代表選考を兼ねて行われ、本番の会場で19日、出場選手が公式練習を行いました。

このうち男子シングルの鍵山選手は、2位だった12月のグランプリファイナルでミスのあった4回転サルコーを含めて、すべてのジャンプで着氷していました。

男子シングルで2012年以降、去年までに優勝したのは、羽生結弦さんと宇野昌磨さんの2人だけで、今大会は、どの選手が勝っても初優勝となります。

また、女子シングルで4連覇をねらう坂本選手は、ファイナルでジャンプにミスが相次いだ、ショートプログラムの曲をかけた練習でのすべてのジャンプで着氷し、状態を取り戻している様子でした。

大会は20日、男子と女子の前半、ショートプログラムが行われます。

鍵山優真「納得のいく演技をしたい」

鍵山優真選手は練習を終えたあと、「グランプリファイナルからあまり時間はなかったが、自分でしっかりと計画を立ててジャンプやスピン、ステップの課題を見つめ直してしっかりと調整できた。20日からの演技でその成果を発揮できれば」と手応えを話しました。

そのうえで、「誰が優勝しても初優勝になるのでことしは全員、優勝に対する思いが強いと思う。僕自身は負けていられないという思いがある。まだオリンピックのことはそこまで考えていないが、出場するためには今シーズンもしっかりと結果を出していくことが大切だと思うので、まずはこの大会で自己ベストや、納得のいく演技をしたい」と意気込んでいました。

佐藤駿「できる演技をしっかりやりたい」

12月のグランプリファイナルで3位だった佐藤駿選手は、19日の公式練習で難度の高い4回転ルッツを着氷するなど状態のよさを見せていて、練習のあと、「コンディションや氷の感覚を含めて感触はすべていい。グランプリファイナルのあとは“練習”というよりも、毎日1時間程度の“動きの確認”をしてきて、それがいい方向に出ている」と話しました。

そのうえで初優勝を目指していることについて、「全日本選手権は1番、優勝することを目標に掲げてきた舞台だ。周りの選手をあまり気にすることなく、自分のできる演技をしっかりやりたい」と意気込みを話していました。

“りくりゅう”ペア 5年ぶりの出場

三浦璃来選手と木原龍一選手の“りくりゅう”ペアは、けがなどの影響で全日本選手権の出場が2019年以来、5年ぶりとなります。

今大会に向けて2人はグランプリファイナルのあと拠点を置くカナダに戻らずに国内で調整を続けてきました。

木原選手は「日本で調整したことで体の状態はすごくいい。出場できない間も、またここに戻ってきたいという気持ちでやっていたので、またこの舞台で演技できてすごくうれしい」と話しました。

三浦選手は「今シーズンはこれまでとがらりと曲調を変えて、新しい自分たちの姿を見せられるようにと思っている。やっと出場できるので、けがをすることなく最後まで滑りきりたい」と話していました。

織田信成 おととし復帰 11年ぶりの出場「全身全霊をかける」

今大会の男子シングルで注目される1人が、37歳の織田信成選手です。

織田選手は2010年のバンクーバーオリンピックに出場し、2013年に現役引退を表明して第一線から退いていました。

その後、おととし復帰し、全日本選手権出場は11年ぶりとなります。

織田選手は公式練習のあとの取材に対して、「ひざと腰がもうもたないので、ことしが全日本に出る最後になると思う。最後だからこそ、全身全霊をかけて臨みたい」と話しました。

そのうえで、「出場する一番若い選手は年齢が息子とほとんど同じくらいだが、『37歳になってもこんなに粘ってジャンプを跳んでいる人がいるんだな』と何かを感じてもらえるように、全力でやっている姿をお客さんはもちろん一緒に戦う選手たちにも見せたい」と意気込んでいました。

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