■投手陣:”二刀流”や来季の開幕投手も
2000年代に生まれた人たちが”ミレニアム世代”と呼ばれています。
去年の最下位から、今季は2位へと大躍進を遂げた北海道ファイターズ。その飛躍を支えたのが、この”ミレニアム世代”の選手たち。12月に契約更改を終えたばかりの、今後もチームをけん引する選手たちの”現在地”を振り返る。(※金額は推定)
・金村尚真 (1200万円→3600万円)
29登板 7勝6敗6H 防御率2.38
今季は中継ぎでのスタート。5月に先発に転向すると、安定感のある投球でローテーションの一角として活躍した金村。11月30日のファン感謝イベントでは新庄剛志監督から来季の開幕投手に指名された。来季の目標について聞かれると「伊藤大海さんは超したいですね。15勝です」と最多勝のタイトルを獲得した先輩超えを目指すと宣言した。
・矢沢宏太 (1500万円→1750万円)
投手 17登板 1勝2敗3H 防御率4.05
打者 28試合 打率.111
2023年ドラフト1位で入団した”二刀流”矢沢もプロ2年目を終えた。今期は投打共に不完全燃焼のシーズンに終わった。来季から“二刀流断念”との報道もでるなか、契約更改では「毎日試合に出たいと思っている。野手で出ながら投手というのがベストかなと思っている」と来季も二刀流でレギュラーを目指す決意を語った。
・その他の注目選手
今季楽天を戦力外となり、育成契約選手となった最速160キロ超えの清宮虎多朗投手、松岡洸希投手もミレニアム世代の一員だ。
■野手陣:次世代の主力候補が軒並み年俸アップ
・田宮裕涼 (700万円→3000万円)
109試合 3本塁打 30打点 10盗塁 打率.277
今季、この世代で最もブレイクした選手と言っていいのは田宮だろう。開幕戦で先発出場すると2打数2安打の活躍。その後も7月後半まで打率3割台をキープする活躍を見せた。”ゆあビーム”とファンから呼ばれる強肩も評価されていて、さらに走れるのも田宮の魅力だ。来季に向けては「打てる技術を磨いて、近藤健介さんに並ぶくらい打撃技術を磨いていきたい」と元チームメイトの首位打者を目標に掲げた。
・野村佑希 (4800万円→4300万円)
56試合 2本塁打 9打点 2盗塁 打率.210
好調だったチームとは裏腹に波に乗れない結果に終わった野村。それでも、ファン感謝イベントでは新庄剛志監督から来季の開幕4番に指名され、本人も「ここまでチャンスをもらえることもなかなかないですし、やるしかないと思いました」と来季へ向けた覚悟は固まっているようだ。2023年には13本塁打を放った長距離砲は、来季復活を目指す。
・奈良間大己 (1200万円→1700万円)
90試合 7打点 2盗塁 打率.180
明るいキャラクターでファンに愛され、今季は“勝利の一丁締め”が定着した奈良間だが「一言でいえば悔しいシーズンでした」と契約更改では胸の内を明かした。堅実な守備に定評があるが、「二塁打、あるいはHRをたくさん打ちたい。長打力を上げていきたいです」と課題の打撃を向上させ、レギュラー獲得を目指す。
・水野達稀 (950万円→3000万円)
105試合 7本塁打 37打点 9盗塁 打率.220
今季は飛躍のシーズンとなった水野。キャンプでアピールに成功し、開幕戦で「7番・ショート」で出場。その後、ケガで離脱した時期があったものの、堅実な守備と勝負強いバッティングで存在感を発揮。チームをリーグ2位に押し上げた原動力となった。水野はシーズン前には妻の妊娠が判明。「今年は本当にクビも考えていた年だったので、”やったろう”という気持ちがありました」と、家族のためにも背水の陣で臨んだ1年だったと語った。そして、9月には長男が誕生。「人生が変わった1年でした」と語り、公私共にターニングポイントとなった充実の1年を振り返った。
・万波中正 (8000万円→1億6500万円)
136試合 18本塁打 60打点 2盗塁 打率.252
1億円の大台を突破し、一流選手の仲間入りをした万波。7年目での1億円到達は、球団高卒野手では中田翔、西川遥輝に並び最速タイとなった。守備では12球団トップとなる11捕殺を記録し、2年連続のゴールデン・グラブ賞を受賞。ロッテとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦では、最終回に起死回生の同点ホームランを放つなど、2年連続でチームの主力として活躍した。
・水谷瞬 (560万円→2700万円)
97試合 9本塁打 39打点 4盗塁 打率.287
今季の現役ドラフト組では一番活躍したのは水谷だろう。5月に一軍昇格をすると交流戦では歴代記録を更新する打率.438と交流戦首位打者になり、最優秀選手賞(MVP)を獲得した。年俸アップ分について問われると「もうすぐお母さんが誕生日。毎年贈り物をしているけど、例年よりは贅沢な物を」と母親思いの一面も見せた。
・吉田賢吾 (800万→850万円)
10試合 2打点 打率.192
12月の現役ドラフトでホークスから移籍してきた吉田。二軍では打率3割を超える打撃が魅力。ポジションは捕手だが同学年の田宮やベテランの伏見などレギュラー候補が多くいる。入団会見では「ポジションにとらわれず、バッティングを活かすためなら、どこでもやろうと常に思っています」と語り、コンバートにも意欲をみせた。
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