高野連は厳しい暑さなどから選手の安全を守るためさらなる対策を図ろうと、試合をこれまでの9イニング制から7イニング制に変更を検討するワーキンググループを設置し、ことし6月から4回にわたってメリットとデメリットなどについて意見を交わしてきました。
6日、大阪市で開かれた理事会でワーキンググループの議論の結果が報告され、それによりますと7イニング制が採用された場合、選手にとっては障害の予防の推進や熱中症のリスクの減少、それに部員不足のチームが安全に試合に参加できるなどのメリットがある一方、出場機会の減少や大学やプロ野球との連続性が失われるほか、過去の大会との記録の比較ができなくなるなどのデメリットがあるとしています。
高野連は今回の報告を受けて、7イニング制を含めた高校野球の課題について検討する会議を新たに設け、引き続き、議論していくことになりました。
検討会議のメンバーは高野連の寶馨会長をはじめ、高校野球の元監督やスポーツ健康科学の専門家など合わせて15人で、来年12月の理事会までに対応策をまとめるとしています。
7イニング制だと試合時間も球数も減少
高野連が過去の春のセンバツ高校野球と夏の全国高校野球の試合のデータを7イニング制に換算したところ、試合時間やピッチャーの球数などいずれも減少しました。
高野連の換算によりますとピッチャーの投球数はセンバツ高校野球では過去の5大会で1試合当たり平均で32.2球の減少。
夏の全国高校野球では過去の6大会で平均で30球減りました。
打席数は投球数と同じ大会の換算でセンバツで平均9打席。
夏の大会で平均8.5打席減少しました。
また試合時間についてはことしのセンバツで1試合当たり30分短くなり、夏の全国高校野球はことしの大会まで過去3回分のデータで換算したところ、平均で29.6分減少としています。
高野連 寶会長「健全な方向に発展していくよう尽力」
高野連の寶馨会長は7イニング制の今後の検討について「高校野球にかぎらず野球の試合時間が長いということで、時間短縮の流れになっている。検討会議を作ったのでいろいろと議論してもらい、引き続き、高校野球が健全な方向に発展していくよう尽力していきたい」と話していました。
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