観客とタッチを交わしながらゴールに向かう女子で優勝した高橋侑子(平野皓士朗撮影)
20歳の林愛望(はやし・まなみ=日本福祉大・まるいち)が2位。引退レースとなったリオデジャネイロ五輪代表の佐藤優香(さとう・ゆか=トーシンパートナーズ・NTT東日本・NTT西日本・チームケンズ)が3位。 ◇◆女王として若手の前を切り開く
スイムで一斉にスタートする女子の選手たち(平野皓士朗撮影)
強い高橋侑子が戻ってきた。「特別な場所」と意識するお台場に。パリ五輪を含む国際舞台で振るわなかった今季の鬱憤(うっぷん)を晴らし、2度目の2連覇。国内では頭一つ抜けた存在であることを示し「自分自身の感覚として、まだできるなという気持ちになれたらと思っていた。そういうレースができた」と白い歯をのぞかせた。 40キロを走るバイクでは早々に飛び出したものの、6周目途中で後続の集団にのみ込まれた。ここで「全体的な力は上がってきているんじゃないかなと、うれしくも思う」と日本勢の底上げを喜ぶ余裕があるのは、第一人者の自信からだろう。ランに入ったところでギアチェンジ。集団を置き去りにして、最後は2位に約1分半の差をつけた。 33歳。集大成と位置付けていたパリでのレースを終え、今季で引退するつもりだった。練習仲間らに刺激を受け、10月になって心変わり。「やると決めたからには、本当に悔いのないように納得いくまでやりたい」と終わりを定めずに、競技に打ち込む決意を新たにした。 これからのやりたいことを探す競技人生の「延長戦」は、好調な滑り出し。「一年一年、目の前のことをやっていったら、何か見えてくる」。来季以降ももうしばらく、女王として若手の前を走っていく。(山内晴信) ◇◆20歳林は2年連続の準優勝、落車に泣く
女子2位でゴールする林愛望(平野皓士朗撮影)
雪辱を期した林愛望がアクシデントに泣いた。バイク中盤での落車が響き、前年王者の高橋に及ばず2年連続の準優勝に終わった。 スイムで高橋に先行を許して迎えたバイクでは2位集団を引っ張り、一時30秒近く開いた差を20秒まで縮めた。「追いつく気配が見え、焦りが出てしまった」。5周目に入った直後の折り返し地点で転倒。大きく後退したが、得意のランで地力をみせた。 前回大会では4分以上あった高橋との差を1分24秒まで縮め、「成長を感じることはできたが、悔しい気持ちの方が大きい」と涙をこぼした。 ◇◆佐藤優香が3位、引退レースを飾る
今大会での現役引退を表明している2016年リオデジャネイロ五輪代表の佐藤優香が、終盤に粘りをみせて3位に入った。「自分の力ではなく、観客の皆さんの応援の後押しでつかめた表彰台」と満面の笑みを浮かべた。 2位で始まったランは2周目に脚がけいれん。5位に転落したが、沿道の応援や監督の言葉で気持ちを立て直し、ギアを上げた。有終の美を飾り、「多くの方に見守ってもらえた。これ以上の幸せはない」。晴れやかな表情で競技生活にピリオドを打った。記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。
新規登録 ログインする記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。
新規登録 ログインする記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。
新規登録 ログインする記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。
新規登録 ログインするカテゴリーをフォローする
-
『カテゴリーをフォロー』すると、マイページでまとめて記事を読むことができます。会員の方のみご利用いただけます。
新規登録 ログインする
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。