トライアスロンの日本選手権(日本トライアスロン連合、東京新聞・東京中日スポーツ主催)は17日、東京・お台場海浜公園周辺(51.5キロ=スイム1.5キロ、バイク40キロ、ラン10キロ)で行われ、女子はパリ五輪代表の高橋侑子(たかはし・ゆうこ=相互物産)が2時間0分3秒で2年連続4度目の優勝を果たした。

観客とタッチを交わしながらゴールに向かう女子で優勝した高橋侑子(平野皓士朗撮影)

 20歳の林愛望(はやし・まなみ=日本福祉大・まるいち)が2位。引退レースとなったリオデジャネイロ五輪代表の佐藤優香(さとう・ゆか=トーシンパートナーズ・NTT東日本・NTT西日本・チームケンズ)が3位。   ◇

◆女王として若手の前を切り開く

スイムで一斉にスタートする女子の選手たち(平野皓士朗撮影)

 強い高橋侑子が戻ってきた。「特別な場所」と意識するお台場に。パリ五輪を含む国際舞台で振るわなかった今季の鬱憤(うっぷん)を晴らし、2度目の2連覇。国内では頭一つ抜けた存在であることを示し「自分自身の感覚として、まだできるなという気持ちになれたらと思っていた。そういうレースができた」と白い歯をのぞかせた。  40キロを走るバイクでは早々に飛び出したものの、6周目途中で後続の集団にのみ込まれた。ここで「全体的な力は上がってきているんじゃないかなと、うれしくも思う」と日本勢の底上げを喜ぶ余裕があるのは、第一人者の自信からだろう。ランに入ったところでギアチェンジ。集団を置き去りにして、最後は2位に約1分半の差をつけた。  33歳。集大成と位置付けていたパリでのレースを終え、今季で引退するつもりだった。練習仲間らに刺激を受け、10月になって心変わり。「やると決めたからには、本当に悔いのないように納得いくまでやりたい」と終わりを定めずに、競技に打ち込む決意を新たにした。  これからのやりたいことを探す競技人生の「延長戦」は、好調な滑り出し。「一年一年、目の前のことをやっていったら、何か見えてくる」。来季以降ももうしばらく、女王として若手の前を走っていく。(山内晴信)   ◇

◆20歳林は2年連続の準優勝、落車に泣く

女子2位でゴールする林愛望(平野皓士朗撮影)

 雪辱を期した林愛望がアクシデントに泣いた。バイク中盤での落車が響き、前年王者の高橋に及ばず2年連続の準優勝に終わった。  スイムで高橋に先行を許して迎えたバイクでは2位集団を引っ張り、一時30秒近く開いた差を20秒まで縮めた。「追いつく気配が見え、焦りが出てしまった」。5周目に入った直後の折り返し地点で転倒。大きく後退したが、得意のランで地力をみせた。  前回大会では4分以上あった高橋との差を1分24秒まで縮め、「成長を感じることはできたが、悔しい気持ちの方が大きい」と涙をこぼした。   ◇

◆佐藤優香が3位、引退レースを飾る

 今大会での現役引退を表明している2016年リオデジャネイロ五輪代表の佐藤優香が、終盤に粘りをみせて3位に入った。「自分の力ではなく、観客の皆さんの応援の後押しでつかめた表彰台」と満面の笑みを浮かべた。  2位で始まったランは2周目に脚がけいれん。5位に転落したが、沿道の応援や監督の言葉で気持ちを立て直し、ギアを上げた。有終の美を飾り、「多くの方に見守ってもらえた。これ以上の幸せはない」。晴れやかな表情で競技生活にピリオドを打った。

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