観客とタッチを交わしながらゴールに向かう男子で優勝した北條巧(平野皓士朗撮影)
内田弦大(うちだ・げんた=滋賀県スポーツ協会)が2位に入り、3位は佐藤錬(ロンドスポーツ)だった。20歳の成長株、定塚利心(じょうづか・かずし=流通経済大)は、23歳以下では最高となる4位に入った。 ニナー賢治(NTT東日本・NTT西日本)らパリ五輪代表は欠場した。 ◇◆失意から再起、4年後へ好スタート
国内最高峰の舞台で格の違いを見せつけた。北條は最終種目のランで突き放し、独り旅でゴールテープを切った。「他の選手と争うというより自分のタイムやパフォーマンスを意識した」。圧勝で5年ぶりの王座に輝いた。 東京五輪、パリ五輪で激しい代表争いを繰り広げてきたライバルのニナー賢治や小田倉真は不在。勝って当たり前のプレッシャーもある中、スイムから先頭集団の中で積極的に仕掛けると、バイクも自らのペースに持ち込み、集団を引っ張った。男子バイクで上位をうかがう北條巧(右)=平野皓士朗撮影
先頭集団の6人で最後のラン勝負。プラン通りのレース展開で余力は十分だった。スタートから一気にスパートを仕掛けると、もうついてこられる選手はいない。ゴール直前に足を止めて観客とハイタッチする余裕を見せながら、2位と48秒の差をつけた。 大歓声に迎えられる中、胸中に込み上げたのは喜びよりも「パリ五輪に行けなかった悔しさ」だった。三度目の正直へ向け、8月から外国人コーチに師事。練習メニューを見直し、強化を図ってきた。 再スタートとなる今大会。「(コーチとの)練習の成果が出た良いパフォーマンだった。いいきっかけになれば」。4年後へ向けて、再び力を積み上げていく。(酒井翔平) ◇◆ホープ定塚利心が自己最高4位「悔しさが大きい」
ゴール後に渋い表情を見せる男子4位の定塚利心(平野皓士朗撮影)
成長株の定塚利心は、23歳以下では最高となる4位に入った。昨年の8位から順位を上げて自己最高の成績。ただ「3位以内を目標にして、優勝も意識していた。やっぱり悔しさのほうが大きい」と笑顔はなかった。 10キロを駆けるランの3周目でペースを上げて2位に浮上したものの「そこで少し力を使ってしまった」と明かす。最後の1周で2人にかわされ、表彰台の圏外に落ちた。 4年後のロサンゼルス五輪出場と、2032年ブリスベン五輪での表彰台を狙う20歳。「来季は重要な年になる。世界のトップで活躍していきたい」と誓った。記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。
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