東京V-神戸 後半、競り合う東京V・見木(中央)=10日、味の素スタジアムで
普段通りに淡々と。サッカーJ1、東京ヴェルディの背番号10・MF見木(みき)友哉(26)は「間違いなく春先より良い内容だった」と口にした。首位チームを味の素スタジアムに迎えた10日の神戸戦。終了間際の相手オウンゴールで追い付く引き分けは、16年ぶりに挑むJ1で苦難と収穫を重ねてきた東京Vに、今季生きもののように成長してきた経緯が見えた一戦だった。 5月の町田戦で0-5と大敗したことを機に基本布陣を変え、その初陣が翌節のアウェー神戸戦。当時は「チームとして考えながらのところがあった」(見木)が、信じてトライした。以来半年、10日の試合は開始7分にCKからの流れで失点するも、強度の高さが持ち味の神戸と互角の展開へ。特に相手陣に押し込んだ前半終盤は、左のシャドーFWで先発した見木がフリーになる場面があった。 43分、ハイラインをつくるDF陣の右から相手陣左の高い位置に張る翁長にパスが通り、サポートする斎藤とのパス交換から翁長が折り返す。足元にボールを要求しながら走り込んだのが見木だ。ただ、ボールは中央に流れ、相手に奪われる。そこから速攻を浴び、あわや2失点目の窮地はゴールポストに救われた。 この場面、パスを受けることができていれば「(選択肢は)シュートだった」と即答する見木。完成形はないが、前線と連動して押し上げる守備陣、中でパスを受けて勝負したい見木。チームの意思ははっきりしていた。 見木自身、懸けるものがある。J2千葉で4年を過ごし、J1で勝負したいと東京Vへ。今季、好機でパスをスルーしてマイボールを失ってしまったことがある26歳とすれば、自ら攻め込んでこそ。背番号10は「自分らしく」と残り2試合も果敢に攻め込む。(上條憲也)
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