第3回となる野球の国際大会「プレミア12」は、去年12月末の世界ランキング上位の12の国と地域が参加して9日に開幕し、世界ランキング1位の日本は初優勝を果たした前回に続く大会連覇を目指します。

1次リーグは、出場する12チームが6チームずつ2つのグループに分かれて総当たり戦を行い、日本はバンテリンドーム ナゴヤや台湾を会場に行われるグループBで
▽韓国
▽台湾
▽キューバ
▽ドミニカ共和国
▽オーストラリアと対戦します。

このうち上位2チームが2次リーグに進みます。

日本は13日夜、バンテリンドーム ナゴヤで行われる1次リーグの初戦で世界ランキング15位のオーストラリアと対戦します。

オーストラリアは、去年のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックの1次ラウンドでは韓国などに勝って、日本に次ぐグループ2位で準々決勝に進出した実力あるチームです。

今大会には、ことしの大リーグのドラフト会議で全体1位でガーディアンズから指名された強打者、トラビス・バザナ選手も選ばれていて、日本の投手陣は警戒を高めています。

初戦の先発を託されたのは今シーズン8勝5敗の成績で巨人のリーグ優勝に貢献したサウスポー、井上温大投手です。

初めての代表入りとなる23歳はキレのある速球とコントロールのよさが持ち味で、緊張感のある初戦のマウンドでもその安定感を期待されています。

井端監督は「本番に向けて順調に来ている。最終目標の優勝に向けて全試合が厳しい試合になるのはわかっているので、目先の一戦に全力でいきたい」と話しています。

【プレミア12とは】

プレミア12は、WBSC=世界野球ソフトボール連盟が主催する大会で、現在、世界ランキング1位の日本は、2015年の第1回大会で3位、前回2019年の第2回大会では優勝しています。

日本代表を率いる井端弘和監督は、2年後に行われるWBC=ワールド・ベースボール・クラシックまで指揮を執ることが決まっていて、今大会では国際大会での経験が浅い選手も起用しながら連覇をねらい、WBCへ弾みをつけたい考えです。

【プレミア12のルールは】

今大会では
▽9回で決着がつかなかった場合、延長10回からノーアウト一塁二塁で始まるタイブレークが採用されるほか
▽1次リーグのみ、7回以降に10点差、5回以降に15点差がついた場合はコールドゲームとなります。

また
▽日本のプロ野球では採用されていない投球間の時間制限「ピッチクロック」が適用され、今大会ではランナーがいないときのみ20秒以内に投球動作に入らなければいけません。

【WBCの違いとは?】

プレミア12はWBSCが主催する一方、WBCは大リーグ機構などが主催しています。

2つの大会の大きな違いは、大リーグで活躍する主力選手が出るかどうかという点です。

プレミア12の第1回大会は2015年に行われましたが、このとき、大リーグ機構は各球団の40人の登録枠に入っている大リーグ契約の選手は参加させませんでした。

大会が行われる11月は選手たちのオフシーズンにあたるため、コンディション面や契約上の問題などがあるとされています。

こうした経緯もあり、プレミア12では大リーグの主力選手は出場せず、マイナーリーグや各国のプロ野球チームの選手中心の編成となっています。

【注目選手は】

今大会の注目選手として大リーグの公式サイトでは
▽マイナーリーグで104盗塁をマークしたアメリカ代表のチャンドラー・シンプソン選手や
▽ことしの大リーグのドラフト会議で全体1位でガーディアンズから指名された強打者、オーストラリア代表のトラビス・バザナ選手
▽日本からは中日で今シーズン最優秀防御率のタイトルを獲得した高橋宏斗投手が紹介されています。

また、日本のプロ野球ゆかりの選手も各チームのメンバーに名を連ねていて
▽キューバ代表にはソフトバンクで今シーズン最優秀防御率のタイトルを獲得したモイネロ投手や、中日で最多セーブを挙げたマルティネス投手などが入っています。

▽パナマ代表には巨人のバルドナード投手
▽WBCでの優勝経験があるドミニカ共和国には昨シーズンまで日本ハムでプレーした、アルカンタラ選手などがメンバー入りしています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。