(26日、第77回秋季東海地区高校野球大会準決勝 岐阜第一6―7大垣日大)

 三回表1死満塁。大垣日大はすでに5点をリードされ、これ以上の失点は致命的だ。緊迫の場面で救援登板したのが背番号11の中野翔真投手(2年)。表情を変えず後続を左飛と三振に打ち取り危機を脱した。

 エースの谷之口翔琉(かける)投手(1年)に光が当たる中、「試合であまり投げられず、投げたい気持ちが強かった」。制球の効いた直球やカットボールを淡々と投げ込み、岐阜第一の勢いを止める。「(失点を)ゼロに抑えていれば必ず追いつける」

 来春の選抜大会の東海枠は3。県大会でも対戦し互いの手の内を知る岐阜対決は、甲子園をかけた白熱の戦いになった。

 我慢の投球が打撃につながる。1点を追う五回、自ら逆転の適時二塁打を放ち、波に乗った。

 最終回、岐阜第一の逆襲を受ける。1点を失ってさらに2死満塁。ここで持ち前の気の強さを発揮する。「甲子園に行くのは俺たちだ」。練習を積んできた内角への速球。捕飛で締めくくった。

 周囲の祝福にも、気を緩めない。「決勝は絶対に勝ちます」。笑みも見せず、そう言い切った。(高原敦)

 大垣日大・高橋正明監督 こんなゲームをやってくれるとは。選手がたくましくなった。厳しい場面で投入した中野が良く踏ん張ってくれた。投打に彼の思いが出た。岐阜第一はいつも試合をしている相手。苦しかった。力の差はなかった。

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