ドジャースとパドレス 地区S第3戦前に 前日練習と会見

大リーグはプレーオフの地区シリーズが行われていて、このうちナショナルリーグではドジャースとパドレスが1勝1敗として8日の第3戦に勝ったチームがシリーズ突破に王手をかけます。

7日は、パドレスの本拠地、サンディエゴのペトコパークで前日練習と会見が行われ、パドレスのダルビッシュ有投手やドジャースの山本由伸投手がキャッチボールなどで調整しました。

一方、大谷選手はグラウンドには姿を見せず、レギュラーシーズン中と同様に室内の練習場で調整したものとみられます。

会見には第3戦に先発予定のパドレスのキング投手が出席し、勝負のポイントについて「大谷選手がドジャースを動かしているのは明らかで、彼の前にランナーを出さないことが重要だ」と述べドジャースの下位打線への対応をあげました。

そのうえで「とはいえ彼は大谷翔平だ。彼が打席に立つときの被害を最小限に抑えたい。ダルビッシュ投手が大谷選手にどんなアプローチをしたか必ず聞いてみるよ」と話し、第2戦で大谷選手を3打数ノーヒットに抑えたダルビッシュ投手の投球を参考にする考えを明かしました。

一方、ドジャースで先発予定のビューラー投手は「立ち上がりがとても重要だ。1回を切り抜けた試合は私にとってよい結果になる。われわれには世界最高の選手が先頭バッターとして打席に立つし、攻撃陣には信頼を寄せている」と1番を打つ大谷選手への期待をにじませました。

（スポーツニュース部 山本脩太記者）

ドジャースとパドレスの地区シリーズ第3戦は勝ったチームがシリーズ突破に王手をかける重要な1戦です。

ドジャースにとっては好調なパドレスの投手陣をどう打ち崩すかがポイントで、パドレスにとってはホームの大歓声を受けて第2戦に快勝した勢いをそのまま持ち込めるかがカギを握ります。

パドレスの先発は29歳のキング投手です。

昨シーズンのオフにヤンキースからトレードでパドレスに移籍し、今シーズンは自己最多の13勝を挙げました。

ブレーブスとのワイルドカードシリーズでは第1戦に先発し、7回を無失点、12奪三振の圧倒的なピッチングでチームに勢いをもたらしていて、今回もその再現をねらいます。

キング投手は大谷選手の前を打つことになる下位打線でランナーを出さないことを勝負のカギに挙げています。

その背景には、これまで大谷選手に通算で14打数6安打の打率4割2分9厘、ホームラン3本を打たれている苦手意識があるのかもしれません。

一方、ドジャースの先発は30歳のビューラー投手です。

2019年には14勝、2021年には16勝を挙げるなど実績のあるピッチャーですが、けがも多く、おととしには自身2回目のトミー・ジョン手術を受けました。

ことし5月に復帰したものの本来の状態にはほど遠く、レギュラーシーズンは1勝6敗、防御率は5点台という成績で終えました。

ただ、レギュラーシーズン最後の登板となった先月26日のパドレス戦では、5回1失点と好投し、ビューラー投手自身も「ここ1か月半はすごく調子がいい」と復調に自信をのぞかせています。

また、ビューラー投手はこれまでポストシーズンに15試合先発し、通算の防御率が2.94と“大舞台に強い”という特長もあります。

前日会見では「“ビッグゲームピッチャー”と呼ばれることにどれだけ誇りを持っているか」という質問に対し「それが唯一、私が気にかけていることだ」と答えました。

パドレスはタティースJr.選手がプレーオフに入って、4試合で打率6割4分3厘、ホームラン3本と絶好調で、ビューラー投手がどう対応するかも注目です。

一方、ドジャース打線では2番のベッツ選手がここまで2試合でノーヒットと調子を落としていて、前日会見でもロバーツ監督に質問が相次ぎました。

ベッツ選手は去年の地区シリーズでも3試合でノーヒットに終わり、アメリカのメディアからは「不調のベッツ選手を慣れた1番に据える考えはないか」という質問も出ましたが、ロバーツ監督は「考えていない。才能があることはわかっているし、レギュラーシーズンと同様のプレーを期待している」と信頼は揺らぎません。

さらに、右足首を痛めている3番のフリーマン選手は第2戦の打席で状態が悪化して途中交代していて、これについてロバーツ監督は「まだ痛みがあって治療を受けている。プレーできる状態ならあすも出場する予定だ」としていますが、不安を残しています。

ドジャースが誇る「MVPトリオ」のうちの2人が万全な状態ではなく、大谷選手にかかる比重がさらに増している状況です。

両チームが対戦した2年前の地区シリーズでは、今回と同じように、ドジャースタジアムでの第2戦でパドレスのダルビッシュ投手が勝ち投手となり、その勢いに乗ってパドレスが本拠地で連勝してシリーズを突破しました。

果たして今回のシリーズではどちらが先に王手をかけるのか。

同じ地区のライバルどうし、白熱した試合になることは間違いありません。