サンロッカーズ渋谷とのプレシーズンマッチでドリブルで攻め込む群馬クレインサンダーズの藤井祐真(左)=太田市のオープンハウスアリーナ太田で2024年9月7日午後3時31分、湯浅聖一撮影
写真一覧

 プロバスケットボールBリーグ1部(B1)の群馬クレインサンダーズは10月3日、ホームの太田市総合体育館「オープンハウスアリーナ太田」(オプアリ)に昨季リーグ覇者の広島ドラゴンフライズを迎え、2024~25年シーズンの開幕戦に臨む。B1で4季目となる今季は、広島を初の王者に導いたカイル・ミリング氏(49)を新ヘッドコーチ(HC)に招いたほか、大型補強に成功。悲願のチャンピオンシップ(CS)出場に挑む。【湯浅聖一】

 「リバウンドを意識し、強度の高いディフェンスの展開が足りなかった」。7日にオプアリであった新入団選手の公開会見で、吉田真太郎ゼネラルマネジャー(GM)は昨季の戦いをこう総括し、ディフェンス力・リバウンド力・3点シュート力の3項目を軸にした今季のチーム編成方針を明らかにした。

 昨季のサンダーズは、31勝29敗で東地区4位。勝利数、順位とも過去最高の成績を残したものの、CSへの出場は逃した。

群馬クレインサンダーズのカイル・ミリングHC(中央)と新たに入団した右からヨハネス・ティーマン、細川一輝、藤井祐真、マシュー・アキノ=太田市のオープンハウスアリーナ太田で2024年9月7日午後0時49分、湯浅聖一撮影
写真一覧

 課題の一つに挙げられるのがリバウンドだ。終盤に中心選手がけがで欠場した影響もあったが、チームの1試合平均リバウンド数はB1ワースト2位の34・3本にとどまり、セカンドチャンスを作れなかったことが、得点に対して失点が上回る結果になった。そこで、並里成(35)、五十嵐圭(44)、ベン・ベンティル(29)らが退団し、今季は新たに4選手が加入。新キャプテンにはムードメーカーの辻直人(35)が就任した。

 注目は、欧州最高峰ユーロリーグのアルバ・ベルリンで数々のタイトルを獲得したヨハネス・ティーマン(32)だ。ドイツ代表として23年のワールドカップ優勝、今年のパリ五輪4位入賞にも貢献した。身長206センチ、体重110キロの体格を生かしたディフェンスとリバウンドが強みで、首脳陣は「チームを力強くけん引してくれるだろう」と期待する。

 川崎ブレイブサンダースから移籍した藤井祐真(32)は、21~22年シーズンにリーグMVPを受賞。高い得点能力と勝負強さを兼ね備えたディフェンダーで知られる。マシュー・アキノ(27)は3シーズン信州ブレイブウォリアーズでプレーし、身長205センチから繰り出す3点シュートが持ち味。細川一輝(26)はディフェンス力と確率の高い3点シュートで、三遠ネオフェニックスを中地区優勝に導いた。

 戦う体制が整ったサンダーズだが、入団会見後に行われたサンロッカーズ渋谷とのプレシーズンマッチは57―80で敗れ、今季初の対外試合を白星で飾れなかった。相手にボールを取られるなど選手の連係がかみ合わない場面があり、課題のリバウンドも27本と渋谷より16本も少なかった。ミリングHCは「選手のいい面を最大限発揮できるよう、まだ選手を見て学んでいるところ。ここからプロセスを一つずつ積み重ねていきたい」と話した。

 サンダーズは昨年完成したオプアリの効果で、昨季の1試合平均入場者数はリーグ3位の5244人に上った。売り上げも20億円を見込むまでに成長。「CS出場と日本一への準備は整った」(運営母体の阿久沢毅社長)。あとは新指揮官の下、新戦力との融合を図り、チームが一つになって結果を出すだけだ。

B1昇格後の成績(東地区)

シーズン  順位 勝 敗 勝率

2021~22年 7位 25 30 .455

22~23年  5位 29 31 .483

23~24年  4位 31 29 .517

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。