大相撲秋場所2日目の取組に臨んだ貴景勝=両国国技館で2024年9月9日、幾島健太郎撮影

 大相撲の元大関で幕内優勝4回の関脇・貴景勝(28)=本名・佐藤貴信、常盤山部屋=が現役を引退することになった。常盤山親方(元小結・隆三杉)が20日、日本相撲協会に引退届を提出したことを明らかにした。7月の名古屋場所で5勝10敗に終わり、2場所連続の負け越しで大関から転落。10勝以上を挙げれば大関に復帰できる9月の秋場所に臨んだが、首の痛みが癒えず、ほとんど相撲が取れない状態で初日から2連敗。3日目の10日から休場していた。

 貴景勝は兵庫県芦屋市出身。埼玉栄高3年だった2014年、在学中のまま貴乃花部屋(当時)に入門すると、秋場所に初土俵を踏み、17年1月の初場所で新入幕を果たした。元貴乃花親方(元横綱)の退職で部屋が消滅し、千賀ノ浦部屋(20年11月の九州場所後から常盤山部屋)に移籍した直後の18年九州場所で、22歳で初優勝した。19年3月の春場所後に大関昇進。在位2場所で転落したが、1場所で復帰した。

 大関在位は、通算30場所。押し相撲で鳴らしたが、直近は首の故障に苦しんで成績が低迷し、今回が2回目の関脇転落だった。

 休場が決まった10日、常盤山親方は「(進退は)すぐどうのこうのはない」と結論を急がない考えを示していたが、最終的に本人の意向を尊重したとみられる。【岩壁峻】

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