サッカーとビーチサッカーそれぞれで活躍した元日本代表2人が、子どもたちが無料参加できるスポーツイベントを企画し、異例の全国展開で奔走している。J1のFC東京などでプレーし、現在はJ1町田アンバサダーの太田宏介さん(37)と、ビーチサッカーの2021年ワールドカップ(W杯)準優勝メンバーで東京Vビーチサッカーなどに所属した原口翔太郎さん(37)だ。

◆「サッカーでここまで来られた。恩返しみたいな思い」

子どもたちと盛り上がる太田宏介さんら=神奈川県寒川町で(上條憲也撮影)

 昨年の第1回以降、「ジョガスポ」の名称で全国を回って10回以上実施し、8月18日には初回の開催地でもある「原点」という神奈川県寒川町で地元サッカー少年団などの200人以上を集めた。フットサルやビーチサッカーの現役選手も招き、ミニゲームなどで子どもたちと楽しんだ。  母子家庭だった太田さんは「小さいときは経済的に恵まれない環境だったが、サッカーでここまで来られた。恩返しみたいな思い」。古くから知り合いの原口さんは、スクールで障害のある子にも教えてきた経験から「平等に楽しめる環境を」。こだわるのは参加機会の無償提供だ。運営は企業からの協賛金でまかなっており、2人は顔の広さによる人脈を生かした「営業活動」の日々でもあるという。

ジョガスポを開催する太田宏介さん(左)と原口翔太郎さん=神奈川県寒川町で(上條憲也撮影)

 ポルトガル語の「ジョガ」は、英語では遊ぶなどを表す「プレー」の意。運動会のような開催回もあり、常設のスクールもある。  「ここは、うまくなってほしい場所ではない。将来の目標のきっかけになれば」と太田さん。さらに「もっとうまくなりたい子には地域のスクールを勧めるし、ものすごくうまかったら(町田)ゼルビアのアカデミーを紹介したり…」と話す。(上條憲也) 

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