日本代表の練習で名波浩コーチ(左)らと話す細谷真大選手(中央)=千葉市美浜区で2024年9月2日、高野裕士撮影

 サッカー・J1柏レイソルのFW細谷真大選手(22)が、日本代表として初めてワールドカップ(W杯)アジア最終予選に臨む。過去に何度も死闘が繰り広げられた最終予選を前にした思いとは。

 「(オリンピックを経験し、大舞台は)後は本当にW杯しかない。五輪で得た経験もつなげていかないといけない。五輪の悔しさをW杯で晴らしたい」

 最終予選初戦の中国戦(5日・埼玉スタジアム)を前に日本代表の活動が始まった2日、千葉市内で多くの報道陣に囲まれながらそう語った。

 7~8月はU23(23歳以下)日本代表としてパリ五輪を戦い、8強入りに貢献。目標のメダルには届かなかったが、自ら挙げた1得点をはじめ、ゴールに絡むプレーをいくつも見せた。

 「五輪を経てフル代表に入りたかった。(五輪は)通過点ではあるけど、すごく良い大会だったのかなと思う」

日本代表の練習で望月ヘンリー海輝選手(左)とともに笑顔を見せる細谷真大選手=千葉市美浜区で2024年9月2日、高野裕士撮影

 フル代表に入るのは、今年1~2月のアジア・カップ以来。同大会では出場時間が限られたが、その後にパリ五輪をはじめ、U23代表で重圧のかかる場面を乗り越えてきた。

 「アジア・カップの時よりもプレーの幅は広がっているし、良いプレーをできる自信もある。違ったものを見せられると思う」

 8月29日にあった日本代表のメンバー発表記者会見で、森保一監督は細谷選手について「得点を決めることを期待したい。得点に至るプロセスとして、彼が持っている背後へ鋭く抜け出す動き、力強いポストプレー、前線で起点になってチャンスメークするプレーのクオリティーは上がってきている。守備の部分でも、チームへの貢献を彼には期待したい」と語った。

 細谷選手に、過去のW杯アジア最終予選で印象深い試合を尋ねると、2022年2月の埼玉スタジアムでのサウジアラビア戦を挙げた。日本は2―0で勝利し、その年のW杯カタール大会出場に近づいた。

 「ああいう難しい、緊張感もある試合。(新型コロナウイルス禍で)声援も(あまり)なかったと思うので、苦しい展開の中で勝ちきったところがすごく印象深かった」

 当時の日本代表は続くアウェーのオーストラリア戦に2―0で勝利し、W杯出場を決めた。その試合は終盤から途中出場した三笘薫選手(27)=ブライトン=が2点を挙げた。

 現在、日本代表のFWのポジション争いは、昨年6月以降の代表戦で12点を挙げている上田綺世選手(26)=フェイエノールト=がリードしているとみられる中、選出されたMF、FW陣で最年少の細谷選手はこう語る。

 「本当に重要な最終予選。三笘選手のように途中から入っても結果を残せる選手は必要だと思う。しっかりそこは意識しながら、イメージしてやっていけたらいい。(他の選手とは)違った良さを出して、下からどんどん追い上げていけたら」【構成・高野裕士】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。