バドミントン女子シングルス(車いすWH1)の準決勝でプレーする里見紗李奈=1日、パリ(共同)

 バドミントン女子シングルス(車いす)で2日に2連覇を果たした里見紗李奈(26)は8年前、交通事故に遭い車いすでの生活になった。一時は「誰にも会いたくない」とふさぎ込んだが、競技に出会って明るさを取り戻した。「事故後半年は泣いて暮らした」という母比奈子さん(57)。「あの頃の自分に、紗李奈は頑張れる子だから大丈夫って伝えたい」。母の「夢をかなえて」との思いに応え、感極まった。  兄2人に囲まれ、勝ち気に育った。快活な女子高校生だった2016年、友人の車に乗っていて交通事故に巻き込まれた。出血もなく無傷のように見えたが、脊髄を損傷。脚の感覚を失った。  「わが子の足が立たなくなってしまったことを受け入れるのは難しかった」と比奈子さんは胸の内を明かす。里見も家に閉じこもりがちになったが、父敦さん(56)が見つけたクラブで競技を始めると外に出る機会が増え、「紗李奈と一緒に私たちも明るくなれた」。  すぐに頭角を現し、2年後の19年世界選手権で優勝。バドミントンが初採用された東京大会で初代女王に輝いた。


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