記者会見で明るい表情を見せる井上尚弥=横浜市内のホテルで(久野功撮影)

 ボクシングのスーパーバンタム級で世界主要4団体統一王座の防衛戦(9月3日・有明アリーナ)に向けた記者会見が31日、横浜市内で開かれ、統一王者の井上尚弥(いのうえ・なおや=大橋)は「4団体防衛戦ができることに誇りをもって、自分の中で納得する試合をしたい」と意気込んだ。  挑戦者のTJ・ドヘニー(アイルランド)は「歴史をつくるために来た」と強気に語った。

明るい表情で意気込みを語る武居由樹㊧と比嘉大吾=横浜市内のホテルで

 同じ興行で世界ボクシング機構(WBO)バンタム級タイトル戦も行われる。初防衛戦に臨む王者の武居由樹(たけい・よしき=大橋)は「バチッと倒させていただきます」と宣言。挑戦者で世界2階級制覇を目指す比嘉大吾(ひが・だいご=志成)も「僕も倒す練習しかしてこなかった」とKOを誓った。    ◇

◆「米国のリングに」ボブ・アラム氏も絶賛

 井上尚の価値は高まるばかりだ。会見に同席した米興行大手トップランク社のプロモーター、ボブ・アラム氏は「井上選手は世界中のボクシングの顔」と絶賛。来年、米ラスベガスでの試合開催の計画があることも明かした。拳で魅了してきたからこそ、世界を惹(ひ)きつけている。(丸山耀平)

世界スーパーバンタム級4団体のベルトを前に記者会見する井上尚弥。左端は大橋会長=横浜市内のホテルで

 マニー・パッキャオ(フィリピン)らスター選手の試合を手がけてきたアラム氏は、「年内にもう一度日本で試合をして、その先は米国で1試合したい」と力説。井上尚は2020、21年にラスベガスの地で闘ったことがある。ただ当時は、新型コロナウイルス禍だった。世界が熱視線を注いでいる今、米国のリングに立てば、注目度は以前と段違いとなる見通しだ。

記者会見を終え、写真撮影に応じる(前列左3人目から)井上尚弥、ボブ・アラムさん、TJ・ドヘニーら=横浜市内のホテルで

 さらにアラム氏は、WBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M・T)との対戦にも言及。現在は1階級違う世界王者同士だが、「うまくこのままいけば来年、井上—中谷戦。歴史的で一番大きな日本の試合になる」と熱狂を生む構想を語る。  周囲の期待は膨らむが、井上尚はドヘニー戦に集中している。「皆さんが言うほど、簡単な試合になるとは思っていない」と心の隙はうかがえない。まずは4団体王座防衛。その先に、さらなる夢が広がる。

記者会見を終え、写真撮影に応じる井上尚弥㊧とTJ・ドヘニー=横浜市内のホテルで

記者会見に臨む井上尚弥㊧とTJ・ドヘニー=横浜市内のホテルで



鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。