目次

  • 緻密な戦略がカギ“ボッチャ”とは

  • “火ノ玉ジャパン”6人の顔ぶれ

緻密な戦略がカギ“ボッチャ”とは

ボッチャは脳性まひなどの重い障害がある人のために考案されたパラリンピック独自の競技です。

イタリア語でボールを意味する「ボッチャ」では、赤と青のボールを6個ずつ投げ合って白い的球(まとだま)=「ジャックボール」にどれだけ多くの球を近づけられるかを競います。

障害が重く、ボールを手で投げることができない選手は、ボールを足で蹴ったり、介助者の手助けを借りながら「ランプ」と呼ばれる滑り台のような器具を使ったりしてボールを転がします。

的玉をはじいて移動させることができるため、ボールの置き方や当て方によって一発逆転もあり得る緻密な戦略が問われる競技です。

障害の種類や程度によってクラスが4つに分けられています。

個人戦は、これまで男女混合で行われてきましたが、パリ大会では男女に分かれて、それぞれ4つのクラスで争われます。

一方でペアと団体は男女混合で行われます。

前回の東京大会では、杉村英孝選手が日本の個人・団体を通じて初となる金メダルを獲得したほか、団体でも2大会連続のメダルとなる銅メダルを獲得し、日本は強豪国としての地位を確固たるものにしています。

“火ノ玉ジャパン”6人の顔ぶれ

ボッチャ日本代表の愛称は「火ノ玉ジャパン」です。

男女あわせて7人が出場し全クラスでメダル獲得を目指します。

▽BC1女子 遠藤裕美選手
▽BC1女子 藤井友里子選手

▽BC2男子 杉村英孝選手
▽BC2男子 廣瀬隆喜選手

▽BC3女子 一戸彩音選手
▽BC3男子 有田正行選手

▽BC4男子 内田峻介選手

“高め合う2人” 杉村は2連覇 廣瀬が初のメダルなるか

個人での注目は4大会連続出場の杉村選手と5大会連続出場の廣瀬選手のベテラン2人です。

このうち杉村選手は前回の東京大会で金メダルを獲得したあと「金メダリストとしてのプレッシャーがあった」としてみずからのプレーを見失った時期があったといいます。

それでも東京大会の自分を超えるという目標に向かってボールの感覚を確かめながら精度を高めていきました。

その杉村選手をことし1月の日本選手権で破ったのが廣瀬選手です。

試合はコートの奥のギリギリのところでともに譲らない攻防を見せるなどして会場を大いに沸かせました。

国内でしのぎを削りあってきた2人がパリの大舞台でも強豪のタイやインドネシアなどの選手たちとどんな戦いをしてメダルを手にすることができるのか注目です。

逆境を乗り越えた若きキャプテン

開幕時には22歳でチームのキャプテンを務める内田峻介選手も注目の1人、おととしの世界選手権で金メダルを獲得した実力者です。

ただ、去年の国際大会では障害の種類や程度が異なる選手が公平に競い合うための仕組みであるクラス分けの結果「出場資格なし」と判定され、一時、パリパラリンピックの出場は絶望的となりました。

しかし、ことし4月の別の国際大会で出場が認められることになり代表の座をつかみ取りました。

このような逆境を乗り越えてたどりついた初のパラリンピックの舞台で内田選手は形勢を変える力強いショットを武器にメダル獲得を目指しています。

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