パリ・オリンピックのスケートボード競技では、堀米雄斗選手や吉沢恋選手が金メダルを獲得するなど日本人選手が大活躍した。日本のスケーターのレベルの高さに注目が集まるなか、神奈川県茅ケ崎市に4年後のロサンゼルス・オリンピックを狙う有望株がいる。市立松林中学3年の猪又湊哉さん(14)。「憧れの選手たちに追いつきたい」と夢をふくらませている。
6月に米西部カリフォルニア州で開催された「X Games Ventura 2024」。主催者側が世界各国で行われる大会で優秀な成績を残した選手らを吟味して招待する。限られた選手しか出場できない最高峰の大会の一つだ。
1発の大技の点数で順位を争うベストトリック部門で出場した猪又さんは、高度な回転技を組み合わせた大技を決めて会場を沸かせ、2位に輝いた。「すごい選手と一緒に表彰台に乗れてうれしかった」
スケートボードには小学1年の夏、藤沢市のスケートパークで開催された体験イベントで出会った。「かっこいい」。素直にそう思ったという。父の昭人さん(52)も若い頃にスケーターだったこともあり、スケートボードに夢中になった。
その後、関東近辺のさまざまなスケートパークに週に2~3回通った。「各パークに憧れの人がいて、あんな風に滑れたらと思いながら練習した」。スケーター同士で技を教えあったり、励ましあったりしながら実力をつけていったという。
本格的に大きな大会に挑戦したのは2019年3月。藤沢市であった大会で、くぼち状のコースで規定時間内にさまざまな技を披露して競った。結果は22位だったが「有名な選手と会えただけでうれしかった」。同10月には神戸市で、U字形の斜面を反復して技を繰り出し競う大会で4位に。しかし、「3位以内に入れず残念だった」と楽しさに悔しさが加わった。
中学に入ってからも着々と実力を伸ばし、22年には「一般社団法人ワールドスケートジャパン」の強化指定選手に選ばれた。
パリ五輪は日本でテレビなどで観戦した。堀米選手や吉沢選手らの活躍に「かっこいいし、尊敬する」と興奮気味に話す。目指すは4年後のロス五輪。「さまざまな大会で実績を作って、五輪出場の可能性を広げたい。そしてロスで金メダルを取りたい」と目を輝かせた。【宮本麻由】
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