【早稲田実-大社】サヨナラ勝ちで喜ぶ大社の選手たち=阪神甲子園球場で2024年8月17日、吉田航太撮影

 第106回全国高校野球選手権大会は第11日の17日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で3回戦があり、大社(島根)が延長十一回タイブレークの末、3―2で早稲田実(西東京)に勝ち、93年ぶりの準々決勝進出を果たした。

 大社は1―1の七回の守りで中堅手の藤原佑選手(3年)が中前打を後逸し、勝ち越しを許した。一時リードを奪われる痛恨の失点だったが、藤原選手は仲間に支えられて立ち直り、サヨナラの逆転劇に貢献した。

 藤原選手は試合後のインタビューも涙が止まらずに「本当につらくて、自分一人だったら絶対立ち直れなかった。本当に最高のチームです」と声を震わせた。試合後の主なコメントは次の通り。

大社・藤原佑選手「最高のチーム」

 <七回に痛恨の失策があったが、逆転勝ちした>

 本当にみんなが支えてくれる言葉を言ってくれた。先発の馬庭(優太投手)も「お前なら大丈夫や、笑顔でやろうぜ」と声をかけてくれた。最後に馬庭が(サヨナラ打で)しっかりと決めてくれて、本当に最高です。打った瞬間はとても、ありがとうという気持ちでいっぱいになりました。

 <気落ちはしなかったか>

 本当につらくて、自分一人だったら絶対立ち直れなかった。チーム一丸となり、一人一人が自分自身に声をかけてくれたんで、立ち直れました。

 <涙はうれし涙?>

 ほっとした気持ちもどっちもあるんですけど、一番はやっぱり今までの思いがよみがえってきて、ここでは終わりたくないという思いがあった。仲間とともにもっと上、ベスト8以上という目標があったので、みんなで一丸となって実現できて、それが一番うれしかったです。

 <なぜミスが起きたか>

 あんま覚えていなくて。もっとグラブを下につけとけば、よかったなと思っています。

 <チェンジになり、全力疾走で帰ると球場から拍手が響いた。打席でも大きな声援を受けた>

 僕がミスした分、みんなを盛り上げるというか、ごめんという意味で全力で帰ろうと思って帰りました。

 (打席では)今まで聞いたことがない歓声でした。絶対に打つという気持ちがあったのに打てなかったが、次の試合があるので、その気持ちを忘れずにしたいと思います。

 <同点の場面はどう感じたか>

 もう願うしかないですが、しっかり決めてくれた。言葉にできないぐらいうれしかったです。本当にみんなにありがとうって言いたいです。

 <すごい歓声の中でプレーしている>

 応援がすごいし、その1球ごとに見えない力がめちゃめちゃ伝わってくる。その度にもっと頑張らないとダメだという気持ちになっています。スタンドは本当に見たことのない景色です。感謝しかないので、次の試合では意地や執念を持って、死ぬ気でやりたいと思います。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。