【智弁学園-健大高崎】試合に敗れ、アルプススタンド前で号泣する健大高崎の箱山(中央)ら=阪神甲子園球場で2024年8月14日、渡部直樹撮影

 第106回全国高校野球選手権大会は第8日の14日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で2回戦があり、今春の選抜大会王者の健大高崎(群馬)は1―2で智弁学園(奈良)に敗れ、史上8校目の春夏連覇はならなかった。

 大会注目の捕手で4番の箱山遥人主将(3年)は試合後のインタビューでも涙が止まらなかった。

 箱山主将の試合後の主なコメントは以下の通り。

この2年半は80年分ぐらいの濃い時間

 健大高崎・箱山遥人 もう二度と高校野球ができない……。最後の夏、(個人として)初めて夏の甲子園に出場できた。すごい注目度で、春夏連覇の期待をされた中で、こんなに早く負けてしまうなんて。すごい舞台だったけれど、とても悔しいです。

 本当にアルプスの声援があって支えがあって、自分たちの力が発揮できた。本当に感謝しかないです。

 新チームの最初の頃は関東大会に出られるかというレベルで、本当に野球をやりたくなくて、つまらない時期が多かった。

 でも、仲間がいたからこんな幸せな思いを実感した。日本一にはなれなかったが、日本で一番仲間に恵まれて、最高な主将生活を送れたと思います。

 (投手陣は相手打線を抑えた)春夏連覇するには(エースの石垣元気投手ら)2年生の負担を軽くするため、ここで3年生を投げさせるしかないと指導者に伝えた。

 1失点くらいでこられれば最高と考えていたが、期待以上の投球をしてくれた。攻撃陣が思った以上にてこずった。(相手投手は)右打者も左打者もチェンジアップがいいところに決まって攻略できなかった。

 (八回のバント処理など好守を連発した)

 1点を争うゲームになると思っていた。阻止するためになるべく、刺せるならいこうと思っていた。ジャンピングスローになり、むちゃしたが、味方がカバーしてくれてよかった。

 (決勝点を奪われた九回のリードについて)

 石垣が腰付近を痛めていた。それに気づけなかった。変化球も丁寧に投げていたが、ちょっとあの回だけ甘く入ってきていた。それなのに普通に入ってしまった。自分のミスかなと思います。

 (勝敗を分けたのは)1球に食らいつく姿勢が、相手より劣っていたから負けたと思う。自分たちの方が足りなかったです。

 (高校野球を振り返って)本当に幸せだった。もう二度と、こんな2年半は過ごせないと思います。この先、野球を続けても、こんな大観衆の中で、この仲間とこれだけ熱い気持ちを持って泥臭くプレーすることは、もう二度とできないと思う。100年、90年人生がありますが、本当にこの2年半は80年分ぐらいの濃い時間を過ごしたと思う。

 本当に負けて終わりたくなかったんですが、もう負けてしまったので、自分としても足りなかった部分やプレーをしっかりと補って、次の野球のステージで出していきたいなと思います。

 (今後の進路は)選抜大会が終わってから、プロを目指してやってきた。これからも練習して、選んでいただけるようにやっていきたいと思います。

 (甲子園の土を持ち帰らなかった)自分はこの場所に思い出作りにきたわけじゃない。自分はここでプロになって戻ってきたいと思ったので拾いませんでした。

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