(12日、第106回全国高校野球選手権大会2回戦 鳥取城北0ー7明徳義塾)

 「困ったらこっちに打たせろ」。明徳義塾の2年生左腕・池崎安侍朗(あんじろう)は、内野を守る3年生の言葉を力に変えた。変化球を低めに集めて、打たせて取る投球を徹底した。

 捕手・里山楓馬(ふうま)も1年生という若きバッテリーを、伝統の堅守が支えた。

 遊撃手の山畑真南斗(まなと)は五回、横っ跳びで打球をつかみ、ノーバウンドの送球でアウトに。三塁手の高橋龍成(りゅうせい)も九回、ボテボテのゴロを素早くさばき、内野安打を許さない。

 高知大会では投打ともに下級生の活躍で2年ぶりの頂点に立った。二塁手の主将・平尾成歩(なるほ)は「甲子園では3年生が意地を見せようと乗り込んできた」。練習量に裏打ちされた、失敗を恐れない「攻める守備」ができたと胸を張った。

 里山は「明徳と言えば守備のイメージ。成長できる」と進学先に選んだという。池崎の95球の完封を支えた無失策の守り。「びびるなよ」と送り出してくれた馬淵史郎監督に春夏通算55勝目をプレゼントした。(金子智彦)

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