7日に開幕した第106回全国高校野球選手権大会には、愛知県高校野球連盟から審判委員として、鉄鋼メーカー勤務の後藤健太朗さん(31)=名古屋市=が派遣された。甲子園では主に塁審を担当する予定で、「全身全霊のジャッジ」を目指す。

 派遣審判委員は、30~40代の審判委員が対象で全国から推薦されて選ばれる。今回8人が選ばれ、後藤さんは最年少だが審判歴は12年目だ。

 元高校球児。大学2年の頃、高校野球の審判をしていた知人の父が縁で審判を始めた。プレーする高校生は「ちょっとした後輩」に思えた。

 大学を卒業し、鉄鋼メーカーに就職すると初任地は東京。週末はジャッジのため、愛知へ足を運ぶ日々が続いた。「高校生に元気をもらうような感じだった」。2021年春に愛知に戻り、実戦を重ねた。

 高校野球の「良い審判」とは何か。「何事もなくゲームセットまで出来る。かつ高校生がやり切ったと思ってもらえるような試合を運営できること」。選手への声かけも大切な仕事の一つだと思う。

 全国選手権大会の前半で塁審を担当する予定で、学んだ技術を愛知に持ち帰るのも仕事。「愛知の1回戦でも甲子園でも求められるジャッジは変わらない。常に全力で応えたい」。全国の「後輩」のため、グラウンドに立つ。(渡辺杏果)

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