9日に行われたブレイキンの女子の予備予選に出場したのはアフガニスタン出身の21歳、ダンサーネームTALASH(タラシュ)の、難民選手団のマニザ・タラシュ選手です。

世界ダンススポーツ連盟などによりますと、17歳のときに首都カブールのスポーツクラブで始めたブレイキンの楽しさに魅了され、地元メディアで「アフガニスタン初の女性ブレイキンダンサー」と報じられました。

しかし報道のあと、クラブが爆破予告を受けたほか、2021年にイスラム主義勢力タリバンが実権を掌握すると女性の教育や就労などの権利が厳しく制限されるようになり、タラシュ選手は自由を求めてスペインに逃れました。

オランダの選手と対戦したタラシュ選手は軽快な足さばきで観客をわかせていましたが、終盤、上着を脱ぎ捨てると、英語で「アフガニスタンの女性たちを解放せよ」と背中に書かれた青いケープを披露しました。

タラシュ選手はケープを身に着けたままダンスを続け、観客や対戦相手から大きな拍手が送られると両手でハートのマークを作って応えていました。

オリンピック憲章は、競技中などに政治的な主張をすることを禁じているため、ロイター通信は「処分を受ける可能性もある」と伝えていますが、アフガニスタンで女性への抑圧が強まる中、タラシュ選手の訴えは大きな注目を集めています。

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