「お家芸」バトンパスの復活かけたパリ五輪
3年前の東京オリンピックでは9秒台のタイムを持つ選手3人をそろえ、「過去最強」と言われながらバトンパスでミスが出て失格となった日本は、今大会に「お家芸」と言われたバトンパスの復活をかけてきました。
決勝に進むためのカギを握ったのがこの種目にしかエントリーしていない2走の柳田大輝選手と、9秒台の自己ベストを持つ28歳の桐生祥秀選手です。
柳田選手は10秒02の自己ベストを持つ成長株で、桐生選手はリオデジャネイロ大会で銀メダルを獲得するなどリレーの経験が豊富です。
強化を担当する日本陸上競技連盟の土江寛裕ディレクターは「リレーでは2走と3走の選手がバトンを受けて渡すという2回のパスをするので精神的な負担が大きい。今大会ではリレーに専念できる2人がここを担えることは大きい」と話していました。
それでも予選では1走のサニブラウン アブデル・ハキーム選手から2走の柳田大輝選手へのパスがつまり、全体の4番目ながら38秒06とタイムが伸びませんでした。
桐生選手は、「リレーだけをするために来ているのでもっといい走りしないと来た意味がない」と決勝に向けた決意を示していました。
また、サニブラウン選手は「2走と3走の2人がフレッシュな状態なので決勝ではもっと体が動いてくると思う」と期待を寄せていました。
決勝では、予選では走らなかったスタートが持ち味の坂井隆一郎選手を1走に起用し、エースのサニブラウン選手を2走に入れるメンバーに変更して臨んだ日本。
この種目の2大会ぶりのメダル獲得に向けて「お家芸」の復活を期して決勝のレースに臨みました。
レースは1走の坂井選手が飛び出すと、2走、3走とスムーズにバトンがつながり、アンカーの上山紘輝選手に渡った時点で日本はトップに立ちました。
最後はアンカーの力勝負に競り負け5位でしたが、タイムは37秒78。
バトンパスという「お家芸の復活」を印象づけるオリンピックとなりました。
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