対戦が決まった大阪桐蔭の徳丸快晴副主将(左)と興南の石川駿介主将=大阪市北区で2024年8月4日(代表撮影)

高校野球・夏の甲子園1回戦(8日)

大阪桐蔭―興南(沖縄)

 大阪桐蔭が2012年、18年に史上初となる2度の「春夏連覇」を経験し、興南は10年に1度達成した。春夏連覇を成し遂げたチーム同士の1回戦屈指の好カード。左打者が多い大阪桐蔭に対し、興南のエース左腕・田崎颯士(りゅうと)投手(3年)がどのような投球を見せるかが焦点だ。

「春夏連覇」経験対決

 今春のセンバツ8強の大阪桐蔭は、上位打線に左の好打者が並ぶ。吉田翔輝選手(3年)は俊足とパンチ力を兼ね備え、境亮陽(りょうや)選手(3年)は、センバツでランニング本塁打を放った。4番の徳丸快晴選手(3年)は1年生から中軸を担うスラッガーだ。

今春のセンバツ大会で適時打を放つ大阪桐蔭のラマル・ギービン・ラタナヤケ選手=阪神甲子園球場で2024年3月27日、滝川大貴撮影

 ポイントになるのは、右の長距離打者で高校通算本塁打30本超を誇る、ラマル・ギービン・ラタナヤケ選手(3年)の復調か。センバツでは中軸に座ったが、今夏の大阪大会では本来の打撃は鳴りを潜め、4回戦以降はスタメンを外れた。ただ、2日の甲子園練習ではスタンド越えの打撃を見せるなど、健在ぶりをアピールした。復調すれば打線の厚みが増す。春夏の甲子園通算で歴代最多69勝の西谷浩一監督の采配にも注目したい。

 興南の田崎は、最速149キロの速球派左腕。スライダーが切れ、沖縄大会では36回を投げて41三振を奪った。数々の好投手を送り出してきた我喜屋優監督からは「痩せているけど、いざとなったら気が強い。カマキリみたい」と評され、島袋洋奨さん(元ソフトバンク)、宮城大弥(オリックス)ら歴代の左腕エースになぞらえて「琉球カマキリ」と呼ばれる。対応力がある大阪桐蔭打線に対し、粘り強い投球ができれば、勝機が広がる。

 我喜屋監督は個々の能力が高い大阪桐蔭を「高級食材の集まり」と評し、「うちは沖縄の地産地消のゴーヤーチャンプルー軍団。苦い野球ができるかどうか。しっかりとした守りを続けていけば、相手が崩れるケースもある」とユーモアを交えて構想する。ゲームセットまで目が離せない攻防が期待できそうだ。【石川裕士】

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