前回の東京オリンピックでメンタルの問題を訴えて個人総合の決勝を欠場し、アスリートの心の健康に一石を投じて世界的な注目を集めた、バイルズ選手。

休養を経て、再びオリンピックの舞台に戻ってきたパリ大会で、団体、個人総合、種目別跳馬で3つの金メダルを獲得し、5日、種目別平均台の決勝を迎えました。

ところが、女王らしからぬ落下のミスで、結果は5位。

それでも、バイルズ選手に落ち込む様子は見られませんでした。

続く最後の種目別ゆかの決勝では、2回のラインオーバーが響いて、みずからの演技を終えた時点で2位。

一瞬、苦笑いのような表情も見られましたが、バイルズ選手がすぐに駆け寄ったのは、トップに立っていたブラジルのレベッカ・アンドラーデ選手のもとでした。

アスリートの気持ちを人一倍、理解するバイルズ選手だからこそ、自分の悔しさよりもオリンピックの大舞台で結果を出したアンドラーデ選手に敬意を示した行動のように見えました。

ゆかで、バイルズ選手は銀メダルを獲得。

今大会、5冠は達成できなかったものの、3つの金メダルを獲得し、復活を印象づけました。

表彰式後、会見が行われた会場には、各国のメディアが集まり、多くの質問が寄せられました。

バイルズ選手
「数年前、私はオリンピックに戻ってこられるとは思っていませんでした。5つの金メダルではなく、4つのメダルで今大会を終えることについて自分への怒りはなく、むしろ誇りに思っています」

そして、みずからのメンタルの問題の告白が世界的な議論につながったことについて、「メンタルヘルスを第1にして自分のために時間を取ることは、アスリートに限らず大切なことです。ただ、アスリートにとっては特に大切で、それが長く選手としていられることにつながると思います」と話し、アスリートが心の健康を保つ大切さを改めて強調しました。

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