26日に開幕したパリ・オリンピックで、52年ぶりの金メダル獲得を目指すバレーボール男子の足元に注目が集まっている。陸上ではアメリカ・ナイキ社製の厚底シューズが鮮やかなピンク色で注目を集めたが、バレーは黄色の蛍光色。開発者のある思いが込められていた。
27日のドイツ戦と31日のアルゼンチン戦ではSNS(ネット交流サービス)で、「黄色のシューズ気になる」「男子バレーの日本チームの靴、真っ黄色でかわいい」などの投稿が相次いだ。黄色を選んだ理由についてメーカーのアシックスに話を聞いた。
開発を担当した脇田大樹さんは「インパクトの大きさ」と黄色が持つカラーイメージの「希望」に注目。「ポジティブな気持ちになってほしい」と思いを込めた。
同社とアドバイザリー契約を結ぶ高橋藍選手(サントリー)は開発段階で色について「なかなかない機会。新鮮で面白い」と興味を示していたという。
今回注目のシューズの一つは、西田有志選手(大阪ブルテオン)が五輪に合わせて監修した最新モデル「METARISE2 PARIS」だ。
つま先をせり上げたことでスパイク時に前方へ跳ぶ際、体に上向きの力を伝えやすくなった。さらに、靴底にカーボン製のプレートを配置したことで、踏み込みんだ時の力を効率的に生かしやすくなったという。その結果、前のモデルと比較して2センチのジャンプ力向上につながった。
同社は男子バレーが金メダルを獲得した1972年のミュンヘン五輪でもシューズを提供した。当時のシューズには初めて「メッシュ素材」を使用し、従来の生地から変更していた。そのミュンヘン以来、52年ぶりの金メダル獲得へ。進化したシューズが選手たちの未来を明るく照らすか。【高橋広之】
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