バドミントン女子ダブルス準決勝第2ゲーム、シャトルを返す志田千陽、松山奈未組=ポルトドラシャペル・アリーナで2024年8月2日、長澤凜太郎撮影

 パリ・オリンピック第8日は2日、バドミントンの女子ダブルス準決勝が行われ、初出場の志田千陽選手(27)、松山奈未選手(26)=いずれも再春館製薬所=の「シダマツ」ペアは中国ペアに敗れた。銅メダル獲得を目指し、3日の3位決定戦に臨む。

ネットが味方してくれないな…

 紙一重の戦いだった。

 中国ペアの力強いスマッシュに耐え、一進一退の攻防が続いていた第1ゲーム終盤。厳しいコースを狙った松山選手のショットがネットにかかると、思わずその場に座り込んだ。「今日は多分、ネットが味方してくれないな」。気持ちを切り替えようと努めたが、そこから一気に押し切られた。

 第2ゲームも競り合いになったが、「相手のサーブが良くて、攻めの形をなかなか作らせてもらえなかった。あと1点ほしいところで無理したり、急いでしまったりした」と志田選手は悔やむ。

 「シダマツらしく」。初出場となるパリ五輪への意気込みを問われると、2人は何度もこの言葉を口にした。「声を出して、足をたくさん動かして笑顔で戦っている時が一番強い。それがシダマツらしさ」と志田選手はそう力を込める。試合後は悔し涙があふれたが、緊迫した場面が続いた重要な一戦でも笑顔で声をかけ合い、積極果敢に攻めた。「らしさ」を貫いていた。

 女子ダブルスは日本バドミントン界に初の金メダルをもたらした「お家芸」だ。大激戦の選考レースを制してつかんだ舞台だけに、手ぶらでは帰れない。「引きずってしまうと結果はついてこない。3位決定戦では本当の強さが試される」と志田選手。最後の一戦も、シダマツらしく戦い抜く。【パリ玉井滉大】

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