第106回全国高校野球選手権徳島大会は、鳴門渦潮が7年ぶり8回目の夏の甲子園出場を決め、29日に閉幕した。各チームの実力が伯仲し、好ゲームが目立つ大会となった。

 昨夏の覇者、徳島商と小松島が対戦した2回戦は、象徴的だった。小松島のエース黒川和真投手(3年)が強力打線を相手に持ち前の制球力を発揮。延長十一回に及ぶ接戦の末に徳島商を破った。

 同じ2回戦で、富岡西の左腕芝山亮投手(3年)がシード校の池田を抑えて勝利。準々決勝では、城東が鳴門の守備の乱れをついて初回にリードを奪い、岡一成投手(3年)らの継投で競り勝った。

 決勝も素晴らしかった。ノーシードから勝ち上がった鳴門渦潮打線が、今春の選抜8強の阿南光の吉岡暖(はる)投手(3年)をスクイズなどで攻略。延長十回タイブレークの末に、森高祐吏(ゆうり)選手(3年)のサヨナラ打で劇的な優勝を決めた。

 鳴門渦潮は昨秋と今春の県大会で初戦敗退が続いたが、今大会はエースで4番の岡田力樹(りゅうき)投手(3年)が奮闘して初戦突破。勝ち上がるたびに打線も勢いを増し、準決勝で岡田、森高両選手が見せた本塁打は鮮烈だった。

 100周年を迎える甲子園の大舞台でも、鳴門海峡の渦潮のような豪快なプレーを見せてくれることを期待したい。(吉田博行)

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