甲子園を目指して43校が熱戦を繰り広げた大分大会は27日、明豊が県内では前人未到の4年連続10回目の優勝を飾り、幕を閉じた。相手チームとの、そして暑さとの戦いでもあった今大会を、全試合を取材した担当記者が振り返った。
明豊の強さと安定感
明豊は今大会、大分舞鶴とともに第1シードで出場。エース野田を中心とした投手陣と切れ目のない打線で勝ち上がった。準決勝までの4試合で32得点、5失点と相手チームを圧倒。一度もリードを許さない安定した試合運びだった。
大分舞鶴との決勝では、序盤に今大会で初めて逆転、リードされる場面もあったが、中盤に追いつき、さらに打者15人で9点を挙げた。チームが理想とする「先制、中押し、だめ押し」で栄冠を手にした。
チーム打率は3割2分5厘。レギュラー選手全員が打点を記録し、5試合で44点を挙げた。俊足の木村と高木は4割を超える打率を誇り、出塁すると塁上から相手にプレッシャーを与えた。
野田は今大会の防御率は1.35と、チームの大黒柱として存在感を示し、チームは5試合で失策1と、堅守も光った。
新基準の金属バット
反発力が抑えられた新基準のバットは、打球の初速が遅くなることで投手のけが防止などのために、今春から導入。
各チームは打撃、守備面でそれぞれ対応していたようだ。打撃では、フライを打ち上げると失速しやすいため、低い弾道で速いライナー性の打球を心がけていた。
守備では、一部のチームで外野手の守備位置がやや前寄りになる傾向が見られた。そのためか、全42試合のうち23試合で三塁打が出ており、外野手の頭を越す打球がランニング本塁打になるケースも、大会中の本塁打7本のうち3本あった。
暑さ対策
昨年に続き、三回以降の奇数回終了時に3分間の休息タイムを取り入れた。選手らはベンチやベンチ裏で水分補給をして冷房装置で涼を取り、体調管理に気を配った。
にもかかわらず、厳しい暑さで試合中に足がつり、治療を受ける選手も多く見られた。
第106回全国高校野球選手権大会は、8月4日に組み合わせ抽選会があり、7日に開幕する。明豊の川崎絢平監督は「一つ二つ三つ四つ…と勝って大分の強さを見せていきたい」と全国制覇に挑む。(大村久)
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