霞ケ浦が5点をリードした終盤八回。無死満塁のピンチを背負い、2年生エース市村才樹選手の頭に昨夏の悔しい記憶が浮かんだ。 茨城県大会決勝で九回に逆転負けを喫した。市村選手はベンチで見守り、最後の1球まで何が起こるか分からないと実感した。 同じ悔しさを再び味わうわけにはいかない。ピンチに球場がざわつく中、つくば秀英の明石理紀斗選手(3年)を捕邪飛に抑えた。特に警戒していたバッターの1人だった。「あそこを乗り切れば勝てると思った。なんとしても抑えるぞという気持ちで投げた」と振り返った。 続く打者には「ややボールが甘く入り」(市村選手)、2点適時打を許して降板。最後まで投げきることはできなかったが、夢の甲子園出場をつかんだ。市村選手は「強い相手ばかりなので、自分の投球がどこまで通じるか楽しみ。勝って校歌を歌いたい」と意気込んだ。
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