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スパイクが決まりガッツポーズする高橋藍⑫

 五輪の壮行会という厳かな場で、ひょうひょうと言ってのけた。バレーボール男子日本代表、高橋藍(サントリー)だ。

 「インスタグラムのフォロワーは225万人です。この中で一番多いので、それを誇りに思っています。パリ五輪で300万人を超えるように頑張ります」

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 今や男子バレー界の顔となった京都出身の22歳。「ボケずにはいられませんでした」。人気の理由は、決して端正な顔立ちだけではない。

 2021年の東京五輪は19歳でチーム最年少だった。大会後、日体大に在籍しながら、イタリア1部リーグでのプレーを選んだ。

 中学時代にリベロの経験があり、守備は元から一級品。「人生をかけてきた」というこの3年で、海外の高いブロックから得点を奪う技術も身につけた。

 昨季は、モンツァの主力としてリーグ準優勝。日本代表の主将・石川祐希が所属していたミラノの3位を上回った。

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ブロックをかわして得点を挙げる高橋藍(右)

 「代表の軸になる」と意気込んだ今季。だが6月30日、日本が47年ぶりとなる主要国際大会準優勝を果たしたネーションズリーグ決勝戦のコートに、彼の姿はなかった。

 1月に負った左足首のねんざが10日ほど前、フィリピンでの1次リーグ中に再発した。治療に専念するため、日本へ戻る選択肢もあった。それでも、決勝大会があるポーランドに同行。五輪に向けチームがまとまる過程を近くで支えたかったからだった。

 かねてバレー人気の向上を目標とし、「パリの結果がその全て」と語る。五輪前の練習試合では実戦復帰した。

 プレーで、その発言で。1972年ミュンヘン五輪以来の金メダルをめざすチームの核となる。(加藤秀彬)

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バレーボール日本代表の高橋藍⑫

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