難民選手団は2016年のリオデジャネイロ大会で初めて結成され、今大会は12の競技に合わせて37人の選手が出場しています。
27日、その先陣を切ったのはイラン出身の20歳で、バドミントン女子シングルスのドルサ・ヤバリバファ選手です。
IOC=国際オリンピック委員会などによりますと、ヤバリバファ選手は9歳でバドミントンを始めましたが、家族の宗教上の理由から身の危険を感じるようになり、15歳のときにラケットを持って母親とともにイランを逃れました。
多くの国を転々とし、大好きなバドミントンの練習もままならない生活が続いたあと、難民としてイギリスにたどりついたということです。
27日の予選リーグ初戦ではシンガポールの選手と対戦し、格上の相手に主導権を握られながらも体を懸命に伸ばしてシャトルを拾い、逆にネット際に落とすショットでポイントを奪うなど見せ場を作りました。
ヤバリバファ選手は第1ゲームは7対21、第2ゲームも8対21で落とし、ゲームカウント0対2で敗れましたが、試合後、観客から大きな拍手が送られると、笑顔で応えていました。
難民選手団 初の五輪メダル獲得目指す
UNHCR=国連難民高等弁務官事務所によりますと、世界の難民や避難民は日本の人口とほぼ同じ1億2000万人いるとみられます。
大会前、ヤバリバファ選手は「難民の人たちに、『あなたは1人じゃない、前を向いて』と伝えたい」と話していて、みずからと同じ境遇の人たちに希望のメッセージを伝えようと、次の29日の試合に臨みます。
難民選手団は今大会、オリンピックで初のメダル獲得を目指しますが、困難な境遇を乗り越えてきた選手たちが大舞台で見せる輝きからも目が離せません。
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