(26日、全国高校野球選手権兵庫大会準決勝 東洋大姫路0―1明石商)

 1点リードされたままの五回2死一塁、東洋大姫路の中島賢也投手(3年)が立つマウンドに、磯尾晃太投手(3年)が走って向かった。

 「任せた」

 「おう、任せろ」

 ボールを受け取った磯尾投手は「ここを抑えて流れを持ってくる」と、低めのカットボールで後続を空振り三振に抑え、ほえながらベンチに戻った。

 今夏、東洋大姫路のベンチに入った3年生は5人で、投手は中島と磯尾の両投手だけだ。2人は、遠征のバスの中で並んで座り、投球フォームや球の握り方などよく話し合った。厳しい指摘もしながら下級生を引っ張ってきた。

 この日は、先発が中島投手で2番手は磯尾投手、そして2年生の阪下漣投手で継投することになっていた。

 中島投手が「初回から気持ちを入れてアウトを一つ一つ」と、五回途中1失点の好投をみせると、磯尾投手は八回途中まで無失点に抑えた。阪下投手につないで味方の援護を待ったが、無得点に終わった。

 ただ、今大会のチームの失点は4。岡田龍生監督は「点を取られず頑張ってくれた」とたたえた。磯尾投手は「一緒に頑張れて、最後投げられて良かった」と中島投手に感謝した。(原晟也)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。