照ノ富士を突き落としで破る大の里(奥)=名古屋市中区のドルフィンズアリーナで2024年7月24日、兵藤公治撮影
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大相撲名古屋場所(24日、愛知・ドルフィンズアリーナ)

〇大の里(突き落とし)●照ノ富士

 前日から「存在感をアピールしたい」と横綱戦に向けて意気込んでいた新関脇・大の里が、勝ちっ放しだった照ノ富士に土をつけた。今年が最後の開催となる愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)で、今場所初めて座布団が宙を舞った。大の里は「うれしかった」と喜んだ。

 大の里が先に十分に仕切り、遅れて仕切った照ノ富士との当たりは五分。先に左上手を取られたが、右下手を引いた。先場所の初日同様、双差し狙いで大の里は左を差し込もうと、横綱の右と激しく差し手を争う。目まぐるしい巻き替えの応酬の後、右下手を離しながら左で照ノ富士の右脇に強烈な突き落としをタイミングよく決めた。「止まったら強いので、動いて何とかしようと思った」。横綱はたたらを踏んで西土俵に腹から落ちた。

 幕内3場所目で新小結だった先場所、幕下付け出しデビューでは史上最速の初土俵から7場所目で幕内優勝を果たした。しかし、今場所は押し込まれる相撲が多く、初日から連敗するなど、中盤までに五つの黒星を重ねていた。それだけに「悪い流れだったので、思い切りいこうと思った。気合を入れた」と臨んでいた。

 「苦しい土俵が続いている。まだ終わっていない。一日一日集中するだけ」と大の里。先場所に続く横綱撃破をきっかけに、終盤戦で白星を積み上げられるか。【武藤佳正】

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