（23日、第106回全国高校野球選手権東東京大会準々決勝 帝京10―0淑徳=六回コールド）

　淑徳の6番打者、岩橋和志（1年）は今大会、2打席連続で本塁打を放つなど、チームの躍進に貢献した。自信を持って臨んだ23日の準々決勝、帝京投手陣に手も足も出ず、再起を誓った。

　先発した帝京のエース、小野寛人（3年）は、今までの投手とは次元が違った。二回の第1打席、未体験の球威に驚かされた。当たりは詰まり中飛に倒れた。五回の第2打席では直球に振り遅れ、三振した。「帝京のエースはレベルが違った」。

　小学校では投手だったがひじを故障し、中学時代、外野手に転向した。ただ、試合に出たり、出なかったりで目立つ選手ではなかった。

　中3の引退後、成長した。ボールを捉えやすいスイングを意識した。素振りと実戦の打撃が同じになるまで繰り返して練習した。

　高校入学後、守備力を買われて試合に出たが、練習を重ねた打撃で先輩を驚かせた。エースの八重尾蓮（2年）は岩橋を「スーパールーキー」と評する。

　今夏の大会、1年生ながらレギュラーに。初の公式戦出場となった13日の渋谷教育渋谷との初戦、いきなり、スーパールーキーぶりを発揮した。初打席で本塁打。次打席でも本塁打を放ち、鮮烈的なデビューを果たした。

　その後も打撃が好調で、5回戦まで打率5割超。3年ぶりの8強進出の原動力となり、「1年前には全く想像していなかった」という神宮での準々決勝に先発として出場した。

　岩橋もチームもこれまでの勢いを消され、試合はコールドで敗れた。岩橋は「普通の1年生ではできない経験ができた」。この大会を成長の糧にして1年後、さらに成長して戻ってくるつもりだ。=神宮（中村英一郎）

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