(21日、第106回全国高校野球選手権鳥取大会準々決勝 米子北6―5鳥取商)

 「おっしゃあ!」。泥だらけの主将が、二塁上で絶叫した。

 タイブレークとなった十回表。1死満塁となって、打席には米子北の山田健太郎主将(3年)。外角低めを振り抜いた球は左翼手の頭上を越えていった。走者一掃の適時二塁打となった。

 相手は3連覇を狙う鳥取商。昨年は準々決勝で対戦したが、山田選手の失策で先制点を許した。「1年間ずっと悔やんできた」

 この日の試合中、ずっと声を張り上げ続けた。「自分たちの取りえは元気」。仲間たちも呼応するように声を出し続けた。試合終了まで、米子北の選手たちの声が球場に響き続けた。

 田中良和監督は試合後、「山田にキャプテンをやらせて本当に良かった」と涙ぐんだ。山田選手は、甲子園球場は一度だけ外側から写真を撮ったことがあるという。今度は、そのグラウンドに立ちたい。(奥平真也)

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