第106回全国高校野球選手権鳥取大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)は20日、前日に降雨で継続試合となった準々決勝の倉吉北―米子松蔭戦が五回表から再開された。米子松蔭が、両チーム合わせて22安打の打撃戦を制した。

(20日、第106回全国高校野球選手権鳥取大会準々決勝 米子松蔭5―4倉吉北)

 前日からの継続試合となった一戦は、どちらに転んでもおかしくない展開に。最後に試合を決めたのは、打撃不振に陥っていた米子松蔭の久白拓人選手(2年)だった。

 試合再開直後の五回表、失策もからんで2点を奪われる。流れは相手にあるように思われた。だが七回表1死二塁のピンチで、左翼手・長谷川祥太選手(3年)が安打性の飛球をダイビングキャッチ。飛び出した二塁走者も刺した。歓喜の応援スタンドから「流れこっちだ!」の声が飛ぶ。

 そして同点で迎えた八回裏1死三塁。「お前なら出来るぞ」。ベンチの先輩たちの声を背中に受け、久白選手が打席に向かった。今大会に入って打撃の調子は良くなく、初戦の2回戦では2打数無安打で途中交代していた。

 この打席、「2年生で出させてもらっている。3年生に恩返しを」との思いをバットに込めた。4球目を右前にはじき返し、決勝点となった。

 試合後、久白選手は「今日のことは自信になります。次も頑張ります」。頂点まで、あと2勝だ。(奥平真也)

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