(20日、第106回全国高校野球選手権千葉大会5回戦、東京学館11―7成田)
「東京学館」という響きの圧迫感につぶされそうだった。昨年春の県大会2回戦で1―3で惜敗した因縁の相手。成田の先発投手・相原漣恩(3年)は前夜から「自分で良いのか」という思いを巡らせた。
小学1年から野球を始めた。当時は投手と捕手の両方をしていたが、中学からはずっと捕手。だが昨年、秋の県大会で敗退した翌日に、紅白戦で投手を命じられた。小学生ぶりのマウンドだったが、直球がはまった。
それからは動画サイトでプロ野球選手の投球を学び、今では140キロの直球と3種類の変化球を使いこなせるまでに。主将の山田煌大(3年)は「著しいにもほどがある。見違えるように変わった」と信頼を寄せる。
初回、2連続で死球を与え、その後満塁本塁打を打たれた。「まだ初回。気にしてもいない」とみんなに励まされ、次の回から要所を締められた。それでも五回につかまり、降板した。
課題だった立ち上がりを克服できなかった悔いは残る。ただ、「これ以上ないくらい緊張した。この日の経験は色んな場面で生きてくると思う」。重圧に耐えた経験を、自信につなげていくつもりだ。=県(マハール有仁州)
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