大相撲名古屋場所

大相撲名古屋場所(20日、愛知・ドルフィンズアリーナ)

○大の里(寄り切り)熱海富士●

 じわじわ前に出て、相手を寄せ付けなかった。大の里が力で圧倒して3連勝。中日を前に今場所で初めて白星が先行した。

 熱海富士に左のまわしを取られて得意の形に持ち込まれたが、大の里は冷静だった。「腰の重い相手なので勢いに任せるのではなく、落ち着いてしっかり前へ出られた」。得意の右四つで力強さを見せつけて寄り切り、納得の表情を見せた。

 5月の夏場所では、幕下付け出しデビューから史上最速の所要7場所で初の幕内優勝を果たした。出世が早すぎたため、新関脇で迎えた名古屋場所はまだ2度目。今場所前には「(愛知県名物の)ウナギを食べたいですね。(出身の)石川県は準ご当所と言われてますけど、名古屋に遊びに来た記憶がない。なんも分かんないんで」と初々しさが残る。

 大関昇進の期待が懸かって迎えた今場所だったが、初日から2連敗とつまずいた。24歳の新鋭は冷静さを失い、本来の相撲が取りきれなかった。それでも大の里に気落ちしている様子は見られなかった。同部屋の十両・白熊は前日に一緒にウナギを食べたことを明かし、大の里は1・5人分を食したという。

 「昨日はいい状態で勝ったので勢いに乗れて良かったです」。流れを変える3連勝となるか。【荻野公一】

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