（20日、第106回全国高校野球選手権愛知大会4回戦 中京大中京7―3誠信）
1点差に迫った九回。連続安打と四球で一死満塁のピンチを背負った誠信のエース右腕吉浦楓馬選手（3年）は一瞬、「やばいな」と動揺した。
八回まで中京大中京打線に対し、90キロ台のカーブを織り交ぜて的を絞らせず接戦に持ち込んでいた。「最後まで自分の投球を貫こう」。開き直って投じた直球はセンター前へ運ばれた。守備の乱れも重なり、3点を失い、マウンドを降りた。
中京大中京は春の県大会3回戦で対戦し、3―6で敗れた相手だ。吉浦選手は、組み合わせが決まってから「絶対にやり返す」と誓ったが、果たせなかった。
八回にはこの日2安打を許していた中京大中京の4番山田頼旺選手（3年）から変化球で三振を奪って意地は見せた。
「自分の持ち味は出せた。後輩たちにリベンジは託します」と吉浦選手は話し、球場をあとにした。（松永佳伸）
鄭重声明：本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。
