(20日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会準々決勝 横浜9―2桐光学園)
打って、守って――。横浜の2年生主将、阿部葉太が背中でチームを引っ張った。
一回無死、一塁手のグラブをはじく二塁打で先取点の足がかりを作ると、第2打席は右前安打、3打席目は中前に落とす二塁打を放った。
六回の第4打席は1死満塁から2点適時打を放ち、この回一挙6得点。7回コールド勝ちを呼び込んだ。
相手に一番警戒されていた打者だった。「阿部くんを機能させない、ランナーに出さないのが一番大事なポイント。そこが全部出塁された」とは桐光学園の野呂雅之監督。
打撃だけではない。六回の守備では2点を返され、なお2死一塁の場面で、中堅への鋭い打球に飛び込んで好捕。「代打だから初球から打って来るかなと準備していた」と冷静な判断力を見せた。
2年生ながら主将を任されるだけの理由がある。村田浩明監督は「流れを変えられる選手。阿部がダメだったらうちはダメですし、阿部が良ければみんな良い」と信頼を寄せる。
この日、2年生主将のプレーに乗せられるように、3番に入った1年生の小野舜友(しゅんすけ)は先制適時打、2年生の5番・為永皓(ひかる)はソロを含む3安打。昨秋の県大会決勝で延長戦の末に14―15で敗れた桐光学園に、12安打9得点と打ち勝った。
昨夏は神奈川大会決勝で慶応に九回に逆転負けを喫し、甲子園出場を逃した。5番・中堅手で先発出場していた阿部葉にとっても、忘れられない経験だ。
「甲子園(出場)を決めないと本当に意味がないと思っている。あと2勝、頑張りたい」=サーティーフォー保土ケ谷(大坂尚子)
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